和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

3件目はゲストハウスも 串本の古民家活用まちづくり事業

3件目の古民家活用となった「植松邸」。左が母屋で奥が離れ(和歌山県串本町串本で)
3件目の古民家活用となった「植松邸」。左が母屋で奥が離れ(和歌山県串本町串本で)
ゲストハウスの客室は「茶室」をイメージして屋根裏に設けた
ゲストハウスの客室は「茶室」をイメージして屋根裏に設けた
 和歌山県串本町の市街地にある古民家を宿泊や飲食といった施設に改修して活用する取り組みで、同町串本の「新町通り」沿いにある築109年の古民家「植松邸」を改修した宿泊施設とランドリーがオープンした。古民家活用は3件目だが、初めて割安なゲストハウスも設けた。


 国の登録有形文化財(建造物)である築約150年の「稲村亭(とうそんてい)」などを活用し、古民家を保護しながら観光振興につなげる「串本古民家・まちづくりプロジェクト」。

 町と紀陽銀行、古民家再生に取り組む一般社団法人「ノオト」(兵庫県)による包括連携協定に基づく支援を受けながら、まちづくり会社「一樹の蔭」(松岡庸一郎社長)が事業主体として実施。「NIPPONIA HOTEL(ニッポニア ホテル) 串本 熊野海道」という分散型の施設として、2019年7月に宿泊施設やレストラン、カフェを備えた「稲村亭」と「園部邸」の2棟で開業した。

 3件目の古民家活用となった「植松邸」は大正元(1912)年の建築。木造平屋で母屋と離れがあり、プロジェクトに賛同してくれた所有者から土地と建物を借りて改修に取り組んだ。

 母屋は墨で文字が記された部材を再利用したり、住民に親しまれてきた井戸を残したりと、もともとの雰囲気を生かしながら、2部屋を備えた宿泊施設に改修した。離れも元の部材を生かしながら屋根裏に「茶室」をイメージしたという4部屋を設けてゲストハウスにしたほか、施設がオープンしている時は地域住民も利用できるランドリーも整備。4月下旬にオープンした。

 管理人の博多敏希さん(37)は「コロナ禍の中での厳しい船出ではあるが、感染予防を徹底しながらお客さまをお迎えし、楽しんでいただけるよう頑張りたい。県民の県内旅行を補助する『わかやまリフレッシュプラン』も利用できるので、ぜひお越しいただけたらうれしい。串本には魅力的な古民家が多く、今後、4件目、5件目と活用を進めていきたい」と話している。

 宿泊料金は、植松邸の母屋が2人1泊2食付きで1人3万2500円(税込み)から、ゲストハウスは素泊まりのみで1人1泊4500円(同)から。

 問い合わせは「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」(0735・67・7194)へ。