和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

世代を超えてまちづくり、人づくり 梅の里スポーツクラブ発足

あいさつする久保正一会長(右)ら新役員=28日、和歌山県みなべ町谷口で
あいさつする久保正一会長(右)ら新役員=28日、和歌山県みなべ町谷口で
 和歌山県みなべ町の総合型地域スポーツクラブ「梅の里スポーツクラブ」の設立総会が28日、同町谷口の生涯学習センターであった。多世代が多種目の運動を楽しみ、スポーツを通じた人づくりとまちづくりを目指して活動するクラブが発足した。


 住民の自主運営により、子どもから大人までそれぞれの体力や年齢、技術、目的などに応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しめるようにさまざまな種目を提供する。

 同町では、住民みんながスポーツを楽しめる環境を整え、地域の抱える問題を解決しようと、3年前に設立準備委員会(大前崇委員長)を設け、総合型クラブの先進地を視察したり研修会や独自のイベントを開催したりしてきた。

 新型コロナウイルスの影響で設立が1年遅れたが、この日は委員ら約30人が出席し、来賓に小谷芳正町長、総合型クラブ県協議会の岸田昌章会長らを迎えて設立総会を開いた。

 大前委員長はあいさつで、地元にもともとあるスポーツ教室や既存のスポーツクラブとの関係から、当初は地域の理解を得られないのではと思い設立に反対の立場だったが、勉強していくうちにクラブづくりが地域づくりであることを教えられ、ぜひ欲しいと考えが変わったと話した。

 来賓祝辞で小谷町長は「町民が健康で長生きするためには、スポーツに親しむこと。そうすることで医療費も安くなる。このクラブの力を借りて町民の健康を守りたい」と話した。

 岸田会長は設立を祝福して「クラブが公共の担い手となり、地域の自治にも目を向けてほしい」と激励した。

 総会では、設立準備委員会事務局長で町教育委員会の前田一樹さんが設立までの活動報告をした。続いて議案審議に入り、クラブの規約案、2021年度の事業計画案、収入支出とも240万円の予算案を承認。年会費の受け付けを1カ月延長して4月末までにした。

 役員の選出もあり、会長に選ばれた梅の里スポーツクライミング事業実行委員長の久保正一さん(72)は「最初から大風呂敷を広げるのではなく、だんだん末広がりになるようにしていきたい。町民の健康と体力づくり、夢が実現するようにしたい」と話した。

 会長以外の役員は次の皆さん。

 副会長=大前崇、小林晃亮▽理事=辻本裕一、清水信行、片山清範、尾田賢治▽事務局長=東亨▽会計・事務=辻本久美

 現在の入会者数は105(町内70、町外35)人。4月からの定期プログラムとしてボルダリング、健康体操、ヨガ、ランニング、ジュニアサッカーの5種目がある。

 4月以降の問い合わせは、同町谷口307の学習塾「至誠塾」(0739・74・2011)へ。