和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

かかしが見張ってます サル被害めっきり減少

岩手仁士さん(左)が作ったかかし=和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で
岩手仁士さん(左)が作ったかかし=和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で
 和歌山県田辺市龍神村湯ノ又の自営業、岩手仁士さん(66)は、自宅近くにある畑にサルよけのかかしを置いて効果を上げている。いかにも人がいるような様子がサルに警戒心を与えたようで被害がめっきり減っているという。

 畑では年間を通して野菜を育てている。網を周囲に張ってイノシシやシカの侵入を防いでいるが、サルは高さ約2メートルの網をたやすく跳び越えて作物を荒らしていた。

 困り果てた岩手さんは、かかしを作ってサルを寄せ付けないようにしようと考えた。製作に取り掛かったのは約1年前。素材は自宅にあった農作業のビニール製雨がっぱ、胸元まであるゴム製の胴長靴、使わなくなったヘルメットなど。長年使用して穴が開いたり傷が付いたりしていたが、捨てるのはもったいないと再利用した。

 人間がいるという雰囲気を出すことにこだわり、農作業を一服して座っている格好にするため、かっぱや胴長靴の中は段ボールや新聞紙を丸めて入れ、大人の体型に合わせた。いすに取り付けた支柱の先にひもでビーチボールを垂らし、風が吹くと揺れるようにして人が動かしているかのようにした。

 着衣が雨風や夜露などで汚れて劣化したため、昨年末に再び廃品を利用して2代目のかかしを作った。

 岩手さんは「定期的にかかしの脚を伸ばしたり交差させたりして姿勢を変えている。サルが警戒して被害が減ってよかった」と話している。