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国の退院基準、説明を 和歌山県知事が西村担当相に要望

 仁坂吉伸和歌山県知事は17日、新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔・経済再生担当相を訪ね、新型コロナ対策の充実を要望した。入院患者が陽性のままでも退院可能な国の基準は、国民に不安を抱かせ、差別や偏見につながる恐れがあるとし、国民への説明責任を果たすことなどを求めた。

 仁坂知事や県幹部は毎年この時期、国に来年度の施策や予算について提案要望している。本年度は17日から省庁を回り、計61項目について要望活動している。

 新型コロナ患者の退院基準について、国は6月中旬から、PCR検査をしなくても、有症状者は発症後10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過したとき▽無症状者は検体採取日から10日間経過したとき―は退院可能としている。

 国は以前、症状が治まってから一定時間空けて2回検査し、続けて陰性となることを退院の条件としていたが、一定期間経過すれば感染リスクが低いことが分かったことや、世界保健機関(WHO)が基準を改定したことなどにより、見直した。

 県は7月以降の退院者にこの基準を適用。退院前には独自にPCR検査をしているが、17日までに退院した10人のうち7人が陽性だった。県は「感染症法上の退院基準で、従うのは致し方ない」としながら「感染性は全くなくなるというわけではないのでは、と疑問が残る」としていた。

 今回の要望では「退院基準を満たしても、感染能力があることを疑わせる事例がある」として、科学的根拠を示し、国民に分かりやすく説明すること▽説明するまでの間は、退院後の自宅療養について、医師による経過観察を診療報酬に位置づけること―を求めた。

 このほか、感染者の行動履歴調査について、調査協力は努力義務で虚偽申告を防ぐ強制力がないとして、感染症法上の調査の権限を強化し、虚偽申告を防止する規定を設ける▽全国の医療機関や介護施設などで集団感染が発生していることを受け、感染管理の専門家である「感染管理認定看護師」の養成を支援する―ことなども求めた。
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