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繁殖地求め夏鳥の群れ 絶滅危惧のチュウサギも

チュウサギを中心としたシラサギ類の群れ(和歌山県白浜町内ノ川で)
チュウサギを中心としたシラサギ類の群れ(和歌山県白浜町内ノ川で)
 早苗の季節を迎え、夏鳥のシラサギ類の群れが飛来している。中には国と和歌山県で準絶滅危惧に分類されているチュウサギ(サギ科)も多く交ざっている。繁殖羽を身にまとった個体も多いが、紀南地方では適地が少なく繁殖は確認されていない。

 白浜町内ノ川の田んぼでは、チュウサギを中心にダイサギ、コサギ、アマサギの4種が飛来して餌をついばむ姿が見られた。群れは100羽ほどで、小さな生き物を探して、土手の上や植えられたばかりの稲の間を歩いていた。

 チュウサギは全長60センチ前後で全身が白い。繁殖期に胸と肩にふわふわとした飾り羽ができる。くちばしも黒くなるが、目先の黄色は鮮やかで美しい。足は通年黒い。

 シラサギ類は春から夏にかけて、樹上に巣を作り、コロニーで繁殖する。チュウサギはかつて、シラサギ類のコロニーで優占的な存在だったが、1970年以降全国的に減少している。農薬の使用や田んぼの減少で餌が減少、宅地開発などによって営巣林が伐採されたことが影響していると考えられている。

 日本野鳥の会県支部会員によると、シラサギ類は自分で巣の材料を集めるのが苦手なようで、アオサギやカワウが使い終わった巣を使うことが多いという。

 会員は「これだけ多くのチュウサギの群れが飛来するのは珍しい。ひょっとしたら、どこかで繁殖が確認されるかもしれない」と期待している。

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