暖冬が影響? 大島のアオノクマタケラン衰退
和歌山県串本町の紀伊大島に自生するアオノクマタケラン(ショウガ科)が衰退している。葉が小さくなり、葉のつやがなくなるなどしていて、観察している京都大学フィールド科学教育研究センター紀伊大島実験所の梅本信也所長(60)は、暖冬による成熟過剰が原因と分析し「このままでは絶滅する可能性もある」と警鐘を鳴らしている。
梅本所長によると、紀伊大島のアオノクマタケランは、一昨年の台風で島内の木の枝や葉が飛ばされ、林内に光が入るようになった影響で、昨年の夏に多くの花を咲かせ、復活の兆しを見せていた。しかし餌不足だったイノシシが森を荒らしたことに加え、暖冬で衰退しているという。
島内のアオノクマタケランは通常、7~12月に青い実が赤くなるが、温暖化の影響で青い実のまま越年するものが増えている。梅本所長は「実が地下茎に蓄積した養分を過剰に吸い取っている。梅雨には新たな開花が始まるが、さらに養分を吸い取ってしまう。栽培化につながるので好ましくないが、花のつく茎の先端を人為的に除去するのがよいだろう」と話している。
さらに梅本所長は、紀伊大島のアオノクマタケランは、主にヒヨドリが赤い実を餌として食べ、ふんをすることで、分布を広げているが、実が赤くなる時季がずれているため、ヒヨドリが食べられなくなってきていることも問題視している。
アオノクマタケランは、本州(伊豆半島南部や紀伊半島南部)、四国、九州、南西諸島、中国南部の温暖な沿海地域に生育する多年草。紀南地方では、紀伊大島のほか宇久井半島、九龍島、潮岬などの限られた地域に生育しており、県は絶滅危惧2類に分類している。
紀伊大島には自生系統と戦前の1940年ごろに宮崎県青島から当時の京都帝国大学大島植物試験地(現在の京大紀伊大島実験所)に持ち込まれた株の子孫系統の2群が自生している。自生系統は草高が約80センチ、持ち込まれた株の子孫系統は約140センチ。
紀伊大島では戦後、一部の住民が切り花として名古屋方面に細々と出荷していたが、その後、農協が主導して島の特産品として栽培するようになった。樫野や須江を中心に多い時には約30戸の生産者がおり、2010年には約6万本出荷していたという。現在も出荷している住民はいるが、少なくなっている。
梅本所長によると、紀伊大島のアオノクマタケランは、一昨年の台風で島内の木の枝や葉が飛ばされ、林内に光が入るようになった影響で、昨年の夏に多くの花を咲かせ、復活の兆しを見せていた。しかし餌不足だったイノシシが森を荒らしたことに加え、暖冬で衰退しているという。
島内のアオノクマタケランは通常、7~12月に青い実が赤くなるが、温暖化の影響で青い実のまま越年するものが増えている。梅本所長は「実が地下茎に蓄積した養分を過剰に吸い取っている。梅雨には新たな開花が始まるが、さらに養分を吸い取ってしまう。栽培化につながるので好ましくないが、花のつく茎の先端を人為的に除去するのがよいだろう」と話している。
さらに梅本所長は、紀伊大島のアオノクマタケランは、主にヒヨドリが赤い実を餌として食べ、ふんをすることで、分布を広げているが、実が赤くなる時季がずれているため、ヒヨドリが食べられなくなってきていることも問題視している。
アオノクマタケランは、本州(伊豆半島南部や紀伊半島南部)、四国、九州、南西諸島、中国南部の温暖な沿海地域に生育する多年草。紀南地方では、紀伊大島のほか宇久井半島、九龍島、潮岬などの限られた地域に生育しており、県は絶滅危惧2類に分類している。
紀伊大島には自生系統と戦前の1940年ごろに宮崎県青島から当時の京都帝国大学大島植物試験地(現在の京大紀伊大島実験所)に持ち込まれた株の子孫系統の2群が自生している。自生系統は草高が約80センチ、持ち込まれた株の子孫系統は約140センチ。
紀伊大島では戦後、一部の住民が切り花として名古屋方面に細々と出荷していたが、その後、農協が主導して島の特産品として栽培するようになった。樫野や須江を中心に多い時には約30戸の生産者がおり、2010年には約6万本出荷していたという。現在も出荷している住民はいるが、少なくなっている。