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新たな商機生み出せ コロナ対策、オンラインで飲み会や宿泊体験

「Zoom」を使ったオンラインバーを楽しむ参加者
「Zoom」を使ったオンラインバーを楽しむ参加者
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インターネットを経由したオンラインビジネスが、買い物だけでなく、飲み会や宿泊といった体験にまで広がっている。感染の危険を抑えた上、「コロナ後」の誘客につなげる試みが、新たな商機を生み出しそうだ。

 和歌山県田辺市湊の「Bar.Oct(バーオクト)」は5日、初めてオンラインバーを開催した。県内外から8人が、クラウドビデオ会議サービス「Zoom(ズーム)」を通じて参加。バーテンダーの岡本格さん(40)にフルーツカクテルの作り方を教わり、自宅で味わいながら、他の参加者と会話を楽しんだ。

 岡本さんは「コロナが終息すれば実際に店舗に行きたいと言ってくれている。店が目的地になることで、田辺市での宿泊や飲食につながる」と期待する。

 参加者には事前に必要な材料を提示し、近所のスーパーなどで購入してもらったが、今後の開催では材料をセットで宅配するサービスも検討している。地元食材の販売などにもつなげられたらという。

 那智勝浦町築地のゲストハウス「Why Kumano(ホワイ・クマノ)」では、4月以降の予約がすべてキャンセルになった。しかし「行きたいけれど、行けないという客ばかり」。そこで、家にいながら旅の気分を味わってもらおうとオンライン宿泊を始めた。

 6日に初めて体験を提供したところ、東京や京都、ブラジルなどから6人が「宿泊」した。客は「Zoom」で「チェックイン」するとスタッフに館内を案内してもらった後、仮想ラウンジに集合。写真共有アプリ「Livecanvas(ライブキャンバス)」を活用し、訪れたことのある旅先の写真などを見せ合い、旅行話に花を咲かせた。

 「チェックアウト」時には熊野のイメージ動画を流して見送る演出もある。経営者の後呂孝哉さん(30)は「今はプロモーションに専念する時期。参加者は『次は熊野で会って、乾杯したいね』と話していた。新しい宿泊の形は誘客にもつながる」と話した。

 みなべ町を拠点に星空ツアーをしている「スターフォレスト」は、オンライン星空ツアーを始める。「Zoom」を通じ、代表の角田夏樹さん(33)が季節の星座案内や星空の楽しみ方を紹介するほか、質問などに応じる。参加者は室内でも、スマホを片手に外に出て実際の夜空を見ながらでも楽しめる。参加者には「コロナ後」の星空ツアーの代金を割引する。

 田辺市高雄1丁目の家具店「リバラック」は、LINE(ライン)やインスタグラムのDM(ダイレクトメール)を使ったコーディネートサービスを始めた。図面や写真のやりとりで、店舗に足を運ばなくても相談できる。そこで気になる椅子やソファがあれば、自宅に配送してもらって座り心地を試せる。お試し料は、購入した場合、返金される。

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