新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、安倍晋三首相が全国一斉の臨時休校を要請したことを受け、和歌山県教育委員会は２８日に急きょ、臨時会を開催。宮﨑泉教育長は方針を受け入れ、３月２日から春休み前日の２４日まで県立高を休校にすることを報告した。県内の市町村教委も、小中学校に対しておおむね県教委と同様の措置を取るが、３月２日を登校日とする市町もある。　

　文部科学省は２８日、安倍首相が示した方針に基づき、全国の知事や都道府県教育長らに臨時休校の要請を通知。和歌山県教委は要請の受け入れを決め、同日、県立学校長と、市町村教育長に臨時休校の取り扱いを通知した。教職員については通常勤務で、進級や進路指導の個別指導は適宜対応可能とした。

　臨時会で、教育委員からは「子どもを見られない家庭への支援はどうするか」との質問があった。担当課長は、保護者が仕事を休めないなど小学生が自宅待機できない場合に備え、小学校に居場所を設けるよう、市町村教委に依頼しているとした。

　授業時間の確保や補習授業の有無などについても質問があり、担当課長は、評価は生徒に不利のないように扱い、授業時間の不足については、必要に応じて教材を配布するなどし、家庭学習で補っていく考えを示した。部活動も控えるという。

　また、３月２日に予定していた県立学校の卒業式は中止とし、ほとんどの高校は２月２８日に卒業生に卒業証書を渡したことを報告。小中学校では、開く予定の学校もあるが、今後県内の状況を集約するとした。

　県立特別支援学校の寄宿舎については２８日で閉寮。基本は児童生徒は自宅待機だが、基礎疾患があれば、高いレベルでの感染防止対策が必要で、家庭での対応が困難な場合もあるとし、関係機関と連携して対応したいとした。

　教育委員からは「急なことになって大変な家庭もある。保護者を支援してあげてほしい」「子どもたちには、春休みの始まりが早くなったということではなく、臨時休校の意味を伝えてほしい」などの意見があった。

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　臨時会終了後、宮﨑教育長が報道陣の取材に応じた。市町村立学校の臨時休校の扱いは要請する立場だが、今のところ異論は出ていないとした上で「都合によって、登校日や行事を実施したい場合などもあると思うが、安全性を確保し、方針に逆行しない限りは尊重したい」と話した。