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部員2人で目標に向かって 連合チームで全国大会へ、和歌山県海南高女子硬式野球部

海南高校女子硬式野球部の(右から)栗須武史監督、川村灯桜さん、松田真里奈さん=和歌山県紀美野町で
海南高校女子硬式野球部の(右から)栗須武史監督、川村灯桜さん、松田真里奈さん=和歌山県紀美野町で
 和歌山県立海南高校(海南市)に、県内の高校で唯一の女子硬式野球部がある。部員は1年生2人で、このうち松田真里奈さん(16)は田辺市龍神村の出身だ。監督は同市出身の栗須武史さん(27)が務める。いまは別の学校やクラブと連合チームを組んで試合をしていて、今月は全国大会が控えている。今後は部員を増やし、単独チームとして戦えるようになることを目標に掲げている。

 創部は24年4月。松田さんと海南市出身のもう1人の部員川村灯桜さん(16)は、小学生から野球を続けており、女子野球部ができると知って入学した。松田さんは入学に際し、海南市へ引っ越したという。松田さんは投手、川村さんは野手。小学生の時からお互いを知っていた。

 練習場所は海南高大成校舎(紀美野町)で、ノックやフリーバッティングの際は、地元住民が球拾いなどを手伝っている。

 対外試合もこなす。松田さんが中学生まで所属した田辺市などが拠点の「和歌山レジーナ」と連合チームを組み、昨年は関西女子硬式野球リーグに参戦した。昨夏の全国高校女子硬式野球選手権大会には、全国各地の7校による「連合丹波」として出場した。

 自分たちだけで試合や実戦的な練習はできないが、松田さんは「部員が少ないからこそ、他チームの選手と出会えるし、悪いことばかりではない。できれば単独チームとして活動したい気持ちはあるけれど、『少ないから辞める』という考えにはならない」。川村さんも「監督と一対一で教えてもらえるのは人数が少ないからこそ」と前向きだ。

 栗須監督は2人について「よくやってくれているし、野球が好きだということが伝わってくる。今以上に気持ちを前面に出してほしい」と期待する。女子野球の指導は初めてで、文章でも思いを素直に出してもらおうと、2人とはそれぞれ「野球ノート」を交わしている。

 栗須監督は熊野高校(上富田町)で野球に打ち込み、大学卒業後に教員になった。現在は大成校舎の講師を務めていて、上富田町の自宅から通っている。

 2人は、17日に開幕する第26回全国高校女子硬式野球選抜大会に出場する。昨夏の選手権大会と同様、複数校による連合チームという。松田さんは「投手をやりたいという気持ちは強いが、どのポジションでもできるように準備をして臨み、チームに貢献したい」と話し、川村さんは「まずはスタメンを勝ち取ることが目標。ポジションにはこだわらない」と意気込んでいる。
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