10年後も続けられるか 地域行事や会議を「棚卸し」、和歌山県田辺市上芳養
和歌山県田辺市上芳養の地域づくりを考える「上芳養向上委員会」は、各種団体の行事や会議の「棚卸し」(点検)を始めた。地域の現状を把握、共有するのが目的。5年、10年後の地域を想像しながら議論を進めている。
各地域にはさまざまな行事があるが、人口減少が進む中で「イベント疲れ」が生じる地域も多い。総務省によると「棚卸し」を通じ、意義が薄れた行事をやめたり、行事と行事を組み合わせて同時開催するなど課題解消につなげた事例が出てきているという。
委員会の会合が11日に上芳養小学校であり、36人が3班に分かれて、現状の行事や会議を点検した。参加者からは「想像以上に行事が多い」「10年後も運営の人員を確保できるのか不安」「同じ地域にいても活動趣旨が分からない団体もある」「類似の団体、行事は統合しないと続かない」といった声が上がった。
全国の先進地では、高齢者向けの食事支援と子ども食堂を組み合わせた「地域食堂」を開いたり、地域の運動会に防災関連の種目を組み込んで訓練を兼ねたりする事例がある。会議についても日程を集約して出席回数を減らしたり、簡易な案件なら通信アプリで対応できるよう規約を改正したりした団体があるという。
進行を務めた「わかやまNPOセンター」(和歌山市)の志場久起理事長は「かつて『変わろう。変わらないために』というキャッチコピーがあった。地域を存続させるため、何を変えないといけないのか。余力のある今から考える必要がある」と呼びかけた。
■アンケート回答6割
会合では中学生以上の全住民を対象に11月に実施した地域づくりアンケートの中間報告があった。1398通を配布し、回答は827件、回答率は59・15%だった。
困り事や不安では「介護」「健康」「災害への備え」「空き家・空き地の維持管理」を上げる声が多かった。回答は60、70代が4割を占めた。
事務局の市自治振興課は「回答は年代別にまとめ、若い世代の意見が埋もれないように集計、データ分析する。課題を見える化することで、どのように解決に向けて取り組むかを地域で考える材料にしたい」と話している。
各地域にはさまざまな行事があるが、人口減少が進む中で「イベント疲れ」が生じる地域も多い。総務省によると「棚卸し」を通じ、意義が薄れた行事をやめたり、行事と行事を組み合わせて同時開催するなど課題解消につなげた事例が出てきているという。
委員会の会合が11日に上芳養小学校であり、36人が3班に分かれて、現状の行事や会議を点検した。参加者からは「想像以上に行事が多い」「10年後も運営の人員を確保できるのか不安」「同じ地域にいても活動趣旨が分からない団体もある」「類似の団体、行事は統合しないと続かない」といった声が上がった。
全国の先進地では、高齢者向けの食事支援と子ども食堂を組み合わせた「地域食堂」を開いたり、地域の運動会に防災関連の種目を組み込んで訓練を兼ねたりする事例がある。会議についても日程を集約して出席回数を減らしたり、簡易な案件なら通信アプリで対応できるよう規約を改正したりした団体があるという。
進行を務めた「わかやまNPOセンター」(和歌山市)の志場久起理事長は「かつて『変わろう。変わらないために』というキャッチコピーがあった。地域を存続させるため、何を変えないといけないのか。余力のある今から考える必要がある」と呼びかけた。
■アンケート回答6割
会合では中学生以上の全住民を対象に11月に実施した地域づくりアンケートの中間報告があった。1398通を配布し、回答は827件、回答率は59・15%だった。
困り事や不安では「介護」「健康」「災害への備え」「空き家・空き地の維持管理」を上げる声が多かった。回答は60、70代が4割を占めた。
事務局の市自治振興課は「回答は年代別にまとめ、若い世代の意見が埋もれないように集計、データ分析する。課題を見える化することで、どのように解決に向けて取り組むかを地域で考える材料にしたい」と話している。