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【速報】元妻に無罪判決 「ドン・ファン」殺害事件で和歌山地裁

和歌山地裁
和歌山地裁
 田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻の須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の判決公判が12日、和歌山地裁であり、福島恵子裁判長は無罪(求刑=無期懲役)を言い渡した。

 須藤被告は、2018年5月24日、殺意を持って、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で殺害したとして、21年5月に起訴された。公判は24年9月に始まり、11月まで22回あった。

 野崎さんが口から覚醒剤を摂取して亡くなったという点は、検察側と弁護側で大きな争いはなかった。公判では、野崎さんが殺害されたのかという「事件性」と、その場合に須藤被告が犯人なのかという「犯人性」が最大の争点だった。

 これまでの公判で、検察側は、捜査に携わった警察官や野崎さんの遺体を解剖した医師、野崎さんが経営していた会社の元従業員、覚醒剤の密売人ら計28人を証人に立て、野崎さんに覚醒剤を摂取させることができたのは被告以外に考えがたく、野崎さんの事故死や自殺は考えられないと主張。

 莫大(ばくだい)な遺産を得ようとしたことが殺害の動機であり、実際に遺産の約6800万円を取得していたとして「強盗殺人と同等の悪質性がある」としていた。

 弁護側は「怪しいと思わせる証拠がいくつか出てきただけで、犯人とは立証されていない」として、一貫して無罪を主張。被告は野崎さんから毎月100万円を約束通りに受け取っており、殺害の必要性がないとしていた。このほか、意思に反して覚醒剤を摂取させることは困難であり、具体的な摂取方法が立証されていないとも述べていた。

 須藤被告と野崎さんは17年12月に出会い、18年2月に結婚した。
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