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復活の「第九」田辺に響け 14日、紀南文館で合唱団がコンサート、和歌山県田辺市

本番が迫り練習にも一層熱が入る紀南フロイデ合唱団(和歌山県田辺市南新万で)
本番が迫り練習にも一層熱が入る紀南フロイデ合唱団(和歌山県田辺市南新万で)
 和歌山県田辺市で一度は途絶えた「歓喜の歌」が再び、響く。「第九」の愛称で知られるベートーベンの交響曲第9番を演奏する市民合唱団「紀南フロイデ」の結成記念コンサートが14日、紀南文化会館(同市新屋敷町)の大ホールである。メンバーは「感動を味わいたい」「期待に応えたい」と意気込んでいる。午後2時開演。

 30年以上にわたり、師走恒例だった田辺第九演奏会が2019年に幕を閉じた。紀南フロイデ合唱団は、市民からの「また歌いたい」「聴きたい」といった声を受け、今年4月に発足した。

 メンバーは中学生から80代まで約130人。「第九」の経験者は半数ほどで、合唱の初心者も多い。4~9月は発声などの基礎を重点的に月2回、10月以降は毎週集まり、練習を積んできた。

 本番前、最後の定期練習が6日、市ひがし公民館(田辺市南新万)であった。田辺第九演奏会に出演していた同市神子浜2丁目の奥山雅司さん(77)は、多忙で出演を休んでいる時期に演奏会が終了。今回は約10年ぶりの舞台となる。

 「合唱が好きで、38歳から始めた。第九は合唱の最高峰。感動は別格だが、難しい。最初はドイツ語の発音に苦労した。初めての人は大変だと思う。テノール担当だが、年で声がなかなか出ない。でも若い仲間も加わり、練習は楽しい。みんなで、再び感動を味わいたい」と話した。

 歌唱指導者の一人で地元の声楽家、前田佳世さん(51)は「メンバーの半数近くは初心者。練習のペースは速かったはずだが、熱心についてきてくれ、自主トレにも励んでくれた」と成長をたたえる。

 「フロイデ」はドイツ語で「喜び」を意味する。「楽しく、でも妥協なく取り組んでいる。やれることは、しっかりやった。耳の肥えた来場者の期待に応えられるよう頑張りたい」と語った。

 公演では中高生の合唱部員も加わり、約170人で力強い歌声を響かせる。

 コンサートは2部構成で、第1部は紀南フロイデによる「大地讃頌」や中学生の合唱曲、第2部で「歓喜の歌」を披露する。チケットは2千円。全席自由。問い合わせは紀南フロイデ実行委員会事務局(090・7969・0085)へ。

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