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再び響け「歓喜の歌」 第九合唱団結成へ、和歌山・田辺市

「再び歓喜の歌声を響かせよう」と呼びかける紀南フロイデ実行委員会のメンバー
「再び歓喜の歌声を響かせよう」と呼びかける紀南フロイデ実行委員会のメンバー
 「歓喜の歌」を共に歌おう―。和歌山県田辺市で、「第九」の愛称で知られるベートーベンの交響曲第9番を演奏する合唱団が誕生する。主催の紀南フロイデ実行委員会(榎本長治実行委員長)は4月の結成、12月の公演を目指している。

 30年以上にわたり師走恒例だった田辺第九演奏会が、2019年に幕を閉じた。楽しみにしていた市民からは「また歌いたい」「第九を聴きたい」といった声が上がっていた。実行委によると、新たな演奏会を開こうと動き出したところでコロナ禍に直面。一時中断したが「芸術文化は暮らしになくてはならないという思いがより強まった」と話す。

 合唱団の対象は中学生以上。団体はゼロからのスタートで、団員の経験は問わない。歌唱指導担当が4人おり、発声方法や楽譜の見方、ドイツ語の読み方などを基礎からサポートする。

 指導担当の一人で田辺市在住の声楽家、前田佳世さんは「『大きな声で歌ったことがない』『音符は苦手』という人でも大丈夫。合唱経験者も第九はハードルが高いと思っている人がいるが、そんなことはない。ベートーベン最高傑作の感動を分かち合いましょう」と呼びかける。

 初公演は12月14日、紀南文化会館大ホール(新屋敷町)とすでに決まっている。「第九」のほか、「花は咲く」「大地讃頌(さんしょう)」などの合唱曲を演奏する。

 「田辺第九の会」の会長を長年務めた榎本実行委員長は「紀南地方の芸術文化を盛り上げ、再びまちに歓喜の歌声を響かせたい。地域の合唱文化の裾野を広げることにもつながる。皆さんの力で、合唱団を育ててもらえればうれしい」と協力を呼びかけている。

■団員募集

 発会式、初練習は4月5日午後7時半~9時、ひがし公民館(南新万)である。以後の練習は金曜で、4~9月は月2回、10月以降は毎週。

 田辺、みなべ、白浜、上富田、すさみの5市町の中学生以上を対象にしているが、練習に参加できるなら地域は問わない。参加費(1年分)は一般3千円、学生1500円。

 応募は3月1~22日。メール(klang_mskag@yahoo.co.jp)から申し込める。

 問い合わせは前田さん(090・6916・5990)へ。

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