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空きビルを劇場に改装 市民交流の場に 劇団「たなべ座」、和歌山

劇場を含む複合施設への改装を計画しているビル(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
劇場を含む複合施設への改装を計画しているビル(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
ビルの2階で舞台位置を説明する泉美也子代表
ビルの2階で舞台位置を説明する泉美也子代表
 和歌山県田辺市を拠点に活動する劇団「たなべ座」が、高雄1丁目の空きビルを改装して劇場づくりを進めている。すでに稽古場として利用しており、演劇を通じてさまざまな人が集う場所にしたいという。


 劇団は2017年に発足。清姫や小栗判官など地元の伝説を基にした演劇を発表してきた。劇団に携わる人は増え、活動も定着。しかし、拠点施設がないため、練習は市内の公民館などを転々とし、衣装や小道具の保管にも苦労していた。

 改装中のビルは、鉄筋コンクリート造り5階建てで、築60年。1、2階は倉庫、3、4階は住居だった。5階は小さな部屋と屋上。市街地で拠点を探していた劇団が、昨年3月に物件を見つけ、今年3月に購入した。

 劇場は2階に開設予定。床面積約300平方メートル、天井高が約5メートルあるため、舞台を設置するのに適していると考えた。一部を稽古場として活用しながら、片付けや清掃、劇場づくりを進めている。

 演劇だけでは通年の活用が難しい。1階は誰もがふらりと立ち寄れる市民の交流スペース、3、4階はゲストハウスとして利用したいという。 

 劇団員は小学1年生から70代まで27人。学校になじめない子どもも、演劇を通じ、さまざまな世代と交流している。泉美也子代表は「演劇は地域活性化の手段。この場所を市民が集い、交流する場に育てたい。学校や職場、家庭以外の居場所になればいい」と話している。

■お披露目は26年3月

 劇場は26年3月のお披露目を目指している。「紀伊山地の霊場と参詣道」に闘雞神社などの追加登録があってから10周年。3月は田辺の三偉人の一人、武蔵坊弁慶の誕生月とされており、「節目に合わせて公演したい」という。

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