堀江瞬&江口拓也『ヤマト』思い出語る 野球部の応援ソング・欲しかったプラモデル
映画『ヤマトよ永遠にREBEL3199』第二章「赤日の出撃」が11月22日より公開されることを記念して、イジドール役の堀江瞬とランベル役の江口拓也のオフィシャルインタビューが到着した。
【写真】髪型変わった?堀江瞬&江口拓也の2ショット
――まずはおふたりが演じている役について教えてください。
堀江:僕が演じるイジドールは、古川慎さんが演じるアルフォン直属の部下となります。彼は忠誠心がとても強いんですが、若干、その忠誠心が度を超えているのではないかと感じさせるようなところもあって。だからこそアルフォンが雪のことを気にかけているのが気に食わなくて、雪に対してちょっときつく当たってしまうようなところがあります。でもそういう感情的なところも、ある意味人間らしいなと思っています。
江口:ランベルは侵略者側の中でも指揮を執る側のキャラクター。デザリアムはテクノロジーがものすごく発達しているので、感情がそこまで必要とされていないところがあって。作戦を遂行する中でも淡々としている人たちが多いんですけど、その中でもランベルは意外と感情的なものが多少残っている。むしろ人間で言うところの高揚感だったり、興奮だったりを楽しんでいる節があって。それが後々の展開にどう響いていくのかは、まだその先の台本をもらっていないんで分からないんですが、どこか人間らしい部分があるような、そんな役ですね。
――この役が決まったときはいかがでしたか?
堀江:役が決まったのはオーディションだったんですけど、実は福井さんとは、はじめましてではないんです。それこそ江口さんと一緒に出演させていただいた「ハコクの剣」という朗読劇があって。そのときにやっていたのが、手のひらで人を転がして操り、罠に嵌めていくような、割と苛烈な役でしたが、その脚本が福井さんでした。
それ以来、本作のアフレコの初日で久しぶりに福井さんとお会いしたんですが、そのときに「堀江くんならこの役を面白くしてくれると思って、オーディションも選びました」と。ただ今の段階ではイジドールというキャラクターが結構、謎のベールに包まれている男の子なので、いったい今後イジドールがどうなっていくのだろうかと。そういう意味でのドキドキはありました。でも福井さんにそう言っていただけたからには、いつか来るであろう、面白くする日のために頑張ろうと思いました(笑)。
江口:僕自身は「宇宙戦艦ヤマト」の世代ではないですけど、みんなが絶対に知っている作品ですから。それこそテレビの「懐かしのアニメ特集」などでよく流れてきましたし、主題歌だって普通に歌えますからね。そんな有名な作品に選んでいただいたということで、ある意味プラスアルファのワクワク感みたいなものがありました。それこそ堀江くんと一緒に出た朗読劇で福井さんとご一緒させていただいていたので。皆さんにもう一度お会いできる、というのもうれしかったですね。
――「宇宙戦艦ヤマト」シリーズといえば、キャラクターの数も非常に多く、それぞれの人間模様も見どころだと思いますが、おふたりが気になるキャラクターや、キャラクターの関係性はありますか?
堀江:僕は第一章を、(揚羽武役の声優)上村祐翔と2人で見に行ったんですけど、神崎恵さんのシーンにひどく胸を打ち抜かれてしまいました。それはもちろん(神崎役の声優)林原めぐみさんのお芝居あってのことなんですけど。なくしてしまった家族への思いを胸に戦っている、あの姿がすごく胸を打ったんです。
本編では亡くなった神崎さんのご主人やお子さんのことについてはほとんど触れられていないんですが、それなのになんだか1クール分のこの一家のドラマを見たような感じがしたんです。それくらい林原さんのお芝居が深くて。劇場を出た後にも上村祐翔と、まず真っ先に「神崎さんやばかった!」と感想を言い合ったくらい。それくらい、あのコスモ
リバースのシーンはグッときました。今後の神崎さんに注目しています。
江口:やはりデザリアムの中のアルフォンというキャラクターが人間と関わっていく中で、何かが芽生えてくるようなニュアンスがありました。そういうものがこの先どう変化していき、関係性が変わっていくのか、というところがものすごく気になりますね。この着地点がどこになるのか、本当に勝ち目がないだろう、くらいのところから、この先、どうい
う風な結末を迎えるのか、というのはやはり楽しみですね。
――アフレコの様子はどうだったんですか?
堀江:先ほども少しお話したのですが、桑島さんと一緒にアフレコをしたときに「もっと小姑で」「雪をいじめて」というディレクションでシーンをやったんですが、その後に桑島さんから「この役はホリエルにぴったりだね」って。その言葉が、イジドールくんのお芝居がよかったよという意味なのか、僕の中の必死に隠してたはずの、そういう意地悪な部分が見透かされてしまったのか……。それこそ先ほど言った「ハコクの剣」という朗読劇にも桑島さんも出演されていたんですが、そこでの稽古とか、舞台上以外のところでの僕を見てきた上での「ピッタリだね」という言葉だったのか。まだ真相はハッキリしてないんですけど(笑)。ただやはり「宇宙戦艦ヤマト」というのは長い歴史がある作品なので。収録の雰囲気がもう厳かすぎて。僕なんかは楽しくおしゃべりをするというよりは、とにかく背筋を伸ばしてやらせていただきます、という感じで緊張しながらアフレコに臨んでいました。
江口:僕もやっぱり基本的に1人、もしくはそのときに集まった2~3人ぐらいで収録することが多かったんですけど、マザー・デザリアムの役を潘恵子さんがやっていて。潘さんがいろいろと指令を出すポジションで、僕はその指令を受ける側なんですけど、実は潘恵子さんは、僕が声優になる前に通っていた専門学校で講師をされていて、授業を受けていたんですよ。そのときから、あんたいいわね、みたいな感じで言っていただいていたんです。
だから声優になったあとも結構気にかけてくださって、かわいがってもらったんですけど。今回初めて会話する役だったんで、うれしかったですね。ただ収録スケジュールを見たら当然別々なわけですよ。それでアフレコが終わった後にブースの方に行って「実は潘恵子さんって僕にとって師匠みたいな関係なんですよ。だからマザーからいろいろと指令を受けて、は! みたいな感じで返すのがすごくうれしかったんです」といったお話をしたら、次の週の収録場所を一緒にしてくれて。福井さんも入ってくるなり「先週あんなこと言われちゃったから」なんて言ってくださったんですけど、でもそのおかげで掛け合いで収録することができた。およそ19年越しくらいでご一緒することができて感無量でした。ただ収録の時は短パンで入ったんで、「海から来たの?」なんて言われてしまいましたけど(笑)。
――監督や福井さんからはどんなディレクションがあったのでしょうか?
堀江:アフレコは(アルフォン役の)古川さんと(森雪役の)桑島(法子)さんの3人でやらせていただくことが多かったんですが、そこで僕が一番言われたのが「もっと小姑のように」とか「雪をもっといじめてください」ということでした。ただ本来は、その役と本人は切り離すべきではあるのですが、あまりにも桑島さんがいい人過ぎて。なんだか本当の女神さまみたいにいつも優しく話をしてくださったんです。だから役の上とはいえ、足蹴(あしげ)にするのは本当に大変なことだなと思い悩みながら。それでも心にむち打って雪をいじめました(笑)。
江口:ランベルに関しては、感情的な部分みたいなものは出ていい、と言われました。ある意味で楽しんでいるというか、テクノロジー的には勝つことが当たり前のように思っていてほしいと。だからこそその中に、喜びとか、興奮とか、楽しんでいる部分が出てくる。だから砲撃を撃つ時も「無限ベータ砲、発射!」というセリフがあったんですけど、これは熱いなと思って(笑)。なかなか「何とか砲発射!」なんて言う機会もないですからね。だからそのセリフがあったときに、ランベルは楽しんでいるんだなと思って。「(高揚した感じで)無限ベータ砲、発射!」って言ったら「楽しみすぎです」と言われてしまった。そうか、そこまで楽しんじゃいけなかったんだなと思いましたが、そのバランスみたいなものはそこでできあがりました。
――「宇宙戦艦ヤマト」も今年で放送開始から50周年という歴史があるわけですが、おふたりが「ヤマト」に初めて触れたのはいつごろですか?
堀江:しっかり「ヤマト」という作品に関わったのは「REBEL3199」からなんですが、でも本当に僕らの世代でも、学生時代に吹奏楽部の子たちが野球部とかの応援をするときにも「宇宙戦艦ヤマト」を演奏したりしていたので。そういう意味ではティーンの頃から存在の大きさをひしひしと感じていました。
あと学生時代はけっこうオタクだったので、好きなアーティストの方が映画の主題歌を担当することになったときに、観たいなと思ったこともありました。だから最初は曲から入って、という感じでしたね。それこそ僕がいち観客として劇場で見たときに感じたのは、心というものを考えさせられる作品だなということ。人間らしくやろうとする人たちと、そこに逆らおうとする人たちがいて。墓前で手を合わせるとか、遠くにいる誰かのことを思って空を見上げるとか。
それこそイジドールのセリフにもあったんですけど、やっぱそういう行為が彼らにはすごく奇怪な行動に見えるけれど、その気持ちってやはり人間であるからこそ理解できるものなんだなと。その対比として、たとえば誰かと誰かがけんかをして片方が出ていってしまい、残されたもう片方の人にロボットが「追いかけなくていいんですか?」と問いかける、というくだりは、意外とロボットの方が人間の気持ちに近かったりして。そういうなんか
アンビバレンスな描かれ方に僕はすごくグッときて。もしかしたらそういうところもたくさんの方に支持されてるところなのかと思います。
江口:僕らの世代はとにかくテレビの「懐かしアニメ特集」ですよね。ヤマトが地球に帰るときの沖田艦長のシーンを何度見たんだろうというくらい。もう本編を全部観たんじゃないかと錯覚してしまうくらい何度も観ました。小学校の頃、ヤマトのプラモデルが欲しかったんですけど、子どもからするとめちゃくちゃ高かったんです。大人向けのプラモデルという感じだったので。だから欲しかったけど手に入らなかったもの、という感覚もあります。だから大人になってヤマトに触れてみて感じたのは、ロマンがあるなということ。人間側の背負ってるものの大きさもそうだし、その人たちが宇宙で繰り広げる一進一退の攻防戦。デザリアムにはデザリアムの正義があるわけで。そういうのもやっぱり熱いし。情熱が詰まってるから、人は見ていてグッとくるんだろうなと、これぞロマンだなと思いました。
――では最後に間もなく上映される第二章の見どころについて教えてください。
堀江:第一章を劇場で見たときは、僕が思っていた以上にデザリアムは悪いやつらだなと(笑)。話し合っても分かるところはないのかなと思ったくらいでした。もちろん我々は雪を古代から引き離した側ではあるんですが、そこで雪を気にかけるアルフォンの姿を見ていると、なんだか悪い人じゃなさそうだなという感じがしているんです。話せば分か
るというか。
僕はアフレコの時も雪サイドと組むことが多かったので、雪側に感情移入してしまうところがあって。最愛の人と離れてしまった場所で、彼女が1人、どうやって戦い、生き抜いていくのか。ただしイジドール的にはそこで頑張ろうとしてる雪の姿が面白くない。だから僕も頑張って桑島さんの優しさを振り払って、雪をいじめておりますので。まずはそう
いったところを楽しみにしていただきつつ、デザリアムと雪を取り巻くドラマにも注目していただきたいなと思っています。
江口:第二章はそれまで蓄積してきた人間模様、キャラクター同士のドラマはもちろんですが、やはり僕は宇宙での攻防戦にグッとくるというか。そこの映像が本当に楽しみなんです。アフレコの段階ではまだ絵が見えてないので。これに絵がついて音がついて、それをスクリーンで見たらカッコいいんだろうなと思っています。そこは僕もそうですけれども、皆さんも楽しみにしていただけたらと。
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――まずはおふたりが演じている役について教えてください。
堀江:僕が演じるイジドールは、古川慎さんが演じるアルフォン直属の部下となります。彼は忠誠心がとても強いんですが、若干、その忠誠心が度を超えているのではないかと感じさせるようなところもあって。だからこそアルフォンが雪のことを気にかけているのが気に食わなくて、雪に対してちょっときつく当たってしまうようなところがあります。でもそういう感情的なところも、ある意味人間らしいなと思っています。
江口:ランベルは侵略者側の中でも指揮を執る側のキャラクター。デザリアムはテクノロジーがものすごく発達しているので、感情がそこまで必要とされていないところがあって。作戦を遂行する中でも淡々としている人たちが多いんですけど、その中でもランベルは意外と感情的なものが多少残っている。むしろ人間で言うところの高揚感だったり、興奮だったりを楽しんでいる節があって。それが後々の展開にどう響いていくのかは、まだその先の台本をもらっていないんで分からないんですが、どこか人間らしい部分があるような、そんな役ですね。
――この役が決まったときはいかがでしたか?
堀江:役が決まったのはオーディションだったんですけど、実は福井さんとは、はじめましてではないんです。それこそ江口さんと一緒に出演させていただいた「ハコクの剣」という朗読劇があって。そのときにやっていたのが、手のひらで人を転がして操り、罠に嵌めていくような、割と苛烈な役でしたが、その脚本が福井さんでした。
それ以来、本作のアフレコの初日で久しぶりに福井さんとお会いしたんですが、そのときに「堀江くんならこの役を面白くしてくれると思って、オーディションも選びました」と。ただ今の段階ではイジドールというキャラクターが結構、謎のベールに包まれている男の子なので、いったい今後イジドールがどうなっていくのだろうかと。そういう意味でのドキドキはありました。でも福井さんにそう言っていただけたからには、いつか来るであろう、面白くする日のために頑張ろうと思いました(笑)。
江口:僕自身は「宇宙戦艦ヤマト」の世代ではないですけど、みんなが絶対に知っている作品ですから。それこそテレビの「懐かしのアニメ特集」などでよく流れてきましたし、主題歌だって普通に歌えますからね。そんな有名な作品に選んでいただいたということで、ある意味プラスアルファのワクワク感みたいなものがありました。それこそ堀江くんと一緒に出た朗読劇で福井さんとご一緒させていただいていたので。皆さんにもう一度お会いできる、というのもうれしかったですね。
――「宇宙戦艦ヤマト」シリーズといえば、キャラクターの数も非常に多く、それぞれの人間模様も見どころだと思いますが、おふたりが気になるキャラクターや、キャラクターの関係性はありますか?
堀江:僕は第一章を、(揚羽武役の声優)上村祐翔と2人で見に行ったんですけど、神崎恵さんのシーンにひどく胸を打ち抜かれてしまいました。それはもちろん(神崎役の声優)林原めぐみさんのお芝居あってのことなんですけど。なくしてしまった家族への思いを胸に戦っている、あの姿がすごく胸を打ったんです。
本編では亡くなった神崎さんのご主人やお子さんのことについてはほとんど触れられていないんですが、それなのになんだか1クール分のこの一家のドラマを見たような感じがしたんです。それくらい林原さんのお芝居が深くて。劇場を出た後にも上村祐翔と、まず真っ先に「神崎さんやばかった!」と感想を言い合ったくらい。それくらい、あのコスモ
リバースのシーンはグッときました。今後の神崎さんに注目しています。
江口:やはりデザリアムの中のアルフォンというキャラクターが人間と関わっていく中で、何かが芽生えてくるようなニュアンスがありました。そういうものがこの先どう変化していき、関係性が変わっていくのか、というところがものすごく気になりますね。この着地点がどこになるのか、本当に勝ち目がないだろう、くらいのところから、この先、どうい
う風な結末を迎えるのか、というのはやはり楽しみですね。
――アフレコの様子はどうだったんですか?
堀江:先ほども少しお話したのですが、桑島さんと一緒にアフレコをしたときに「もっと小姑で」「雪をいじめて」というディレクションでシーンをやったんですが、その後に桑島さんから「この役はホリエルにぴったりだね」って。その言葉が、イジドールくんのお芝居がよかったよという意味なのか、僕の中の必死に隠してたはずの、そういう意地悪な部分が見透かされてしまったのか……。それこそ先ほど言った「ハコクの剣」という朗読劇にも桑島さんも出演されていたんですが、そこでの稽古とか、舞台上以外のところでの僕を見てきた上での「ピッタリだね」という言葉だったのか。まだ真相はハッキリしてないんですけど(笑)。ただやはり「宇宙戦艦ヤマト」というのは長い歴史がある作品なので。収録の雰囲気がもう厳かすぎて。僕なんかは楽しくおしゃべりをするというよりは、とにかく背筋を伸ばしてやらせていただきます、という感じで緊張しながらアフレコに臨んでいました。
江口:僕もやっぱり基本的に1人、もしくはそのときに集まった2~3人ぐらいで収録することが多かったんですけど、マザー・デザリアムの役を潘恵子さんがやっていて。潘さんがいろいろと指令を出すポジションで、僕はその指令を受ける側なんですけど、実は潘恵子さんは、僕が声優になる前に通っていた専門学校で講師をされていて、授業を受けていたんですよ。そのときから、あんたいいわね、みたいな感じで言っていただいていたんです。
だから声優になったあとも結構気にかけてくださって、かわいがってもらったんですけど。今回初めて会話する役だったんで、うれしかったですね。ただ収録スケジュールを見たら当然別々なわけですよ。それでアフレコが終わった後にブースの方に行って「実は潘恵子さんって僕にとって師匠みたいな関係なんですよ。だからマザーからいろいろと指令を受けて、は! みたいな感じで返すのがすごくうれしかったんです」といったお話をしたら、次の週の収録場所を一緒にしてくれて。福井さんも入ってくるなり「先週あんなこと言われちゃったから」なんて言ってくださったんですけど、でもそのおかげで掛け合いで収録することができた。およそ19年越しくらいでご一緒することができて感無量でした。ただ収録の時は短パンで入ったんで、「海から来たの?」なんて言われてしまいましたけど(笑)。
――監督や福井さんからはどんなディレクションがあったのでしょうか?
堀江:アフレコは(アルフォン役の)古川さんと(森雪役の)桑島(法子)さんの3人でやらせていただくことが多かったんですが、そこで僕が一番言われたのが「もっと小姑のように」とか「雪をもっといじめてください」ということでした。ただ本来は、その役と本人は切り離すべきではあるのですが、あまりにも桑島さんがいい人過ぎて。なんだか本当の女神さまみたいにいつも優しく話をしてくださったんです。だから役の上とはいえ、足蹴(あしげ)にするのは本当に大変なことだなと思い悩みながら。それでも心にむち打って雪をいじめました(笑)。
江口:ランベルに関しては、感情的な部分みたいなものは出ていい、と言われました。ある意味で楽しんでいるというか、テクノロジー的には勝つことが当たり前のように思っていてほしいと。だからこそその中に、喜びとか、興奮とか、楽しんでいる部分が出てくる。だから砲撃を撃つ時も「無限ベータ砲、発射!」というセリフがあったんですけど、これは熱いなと思って(笑)。なかなか「何とか砲発射!」なんて言う機会もないですからね。だからそのセリフがあったときに、ランベルは楽しんでいるんだなと思って。「(高揚した感じで)無限ベータ砲、発射!」って言ったら「楽しみすぎです」と言われてしまった。そうか、そこまで楽しんじゃいけなかったんだなと思いましたが、そのバランスみたいなものはそこでできあがりました。
――「宇宙戦艦ヤマト」も今年で放送開始から50周年という歴史があるわけですが、おふたりが「ヤマト」に初めて触れたのはいつごろですか?
堀江:しっかり「ヤマト」という作品に関わったのは「REBEL3199」からなんですが、でも本当に僕らの世代でも、学生時代に吹奏楽部の子たちが野球部とかの応援をするときにも「宇宙戦艦ヤマト」を演奏したりしていたので。そういう意味ではティーンの頃から存在の大きさをひしひしと感じていました。
あと学生時代はけっこうオタクだったので、好きなアーティストの方が映画の主題歌を担当することになったときに、観たいなと思ったこともありました。だから最初は曲から入って、という感じでしたね。それこそ僕がいち観客として劇場で見たときに感じたのは、心というものを考えさせられる作品だなということ。人間らしくやろうとする人たちと、そこに逆らおうとする人たちがいて。墓前で手を合わせるとか、遠くにいる誰かのことを思って空を見上げるとか。
それこそイジドールのセリフにもあったんですけど、やっぱそういう行為が彼らにはすごく奇怪な行動に見えるけれど、その気持ちってやはり人間であるからこそ理解できるものなんだなと。その対比として、たとえば誰かと誰かがけんかをして片方が出ていってしまい、残されたもう片方の人にロボットが「追いかけなくていいんですか?」と問いかける、というくだりは、意外とロボットの方が人間の気持ちに近かったりして。そういうなんか
アンビバレンスな描かれ方に僕はすごくグッときて。もしかしたらそういうところもたくさんの方に支持されてるところなのかと思います。
江口:僕らの世代はとにかくテレビの「懐かしアニメ特集」ですよね。ヤマトが地球に帰るときの沖田艦長のシーンを何度見たんだろうというくらい。もう本編を全部観たんじゃないかと錯覚してしまうくらい何度も観ました。小学校の頃、ヤマトのプラモデルが欲しかったんですけど、子どもからするとめちゃくちゃ高かったんです。大人向けのプラモデルという感じだったので。だから欲しかったけど手に入らなかったもの、という感覚もあります。だから大人になってヤマトに触れてみて感じたのは、ロマンがあるなということ。人間側の背負ってるものの大きさもそうだし、その人たちが宇宙で繰り広げる一進一退の攻防戦。デザリアムにはデザリアムの正義があるわけで。そういうのもやっぱり熱いし。情熱が詰まってるから、人は見ていてグッとくるんだろうなと、これぞロマンだなと思いました。
――では最後に間もなく上映される第二章の見どころについて教えてください。
堀江:第一章を劇場で見たときは、僕が思っていた以上にデザリアムは悪いやつらだなと(笑)。話し合っても分かるところはないのかなと思ったくらいでした。もちろん我々は雪を古代から引き離した側ではあるんですが、そこで雪を気にかけるアルフォンの姿を見ていると、なんだか悪い人じゃなさそうだなという感じがしているんです。話せば分か
るというか。
僕はアフレコの時も雪サイドと組むことが多かったので、雪側に感情移入してしまうところがあって。最愛の人と離れてしまった場所で、彼女が1人、どうやって戦い、生き抜いていくのか。ただしイジドール的にはそこで頑張ろうとしてる雪の姿が面白くない。だから僕も頑張って桑島さんの優しさを振り払って、雪をいじめておりますので。まずはそう
いったところを楽しみにしていただきつつ、デザリアムと雪を取り巻くドラマにも注目していただきたいなと思っています。
江口:第二章はそれまで蓄積してきた人間模様、キャラクター同士のドラマはもちろんですが、やはり僕は宇宙での攻防戦にグッとくるというか。そこの映像が本当に楽しみなんです。アフレコの段階ではまだ絵が見えてないので。これに絵がついて音がついて、それをスクリーンで見たらカッコいいんだろうなと思っています。そこは僕もそうですけれども、皆さんも楽しみにしていただけたらと。
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