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4年連続!教授2名が「Highly Cited Researchers」に同時選出 近畿大学医学部・病院のがん研究が世界的な医学の進歩に貢献



近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)内科学教室(消化器内科部門)主任教授 工藤正俊と、近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)がんセンター センター長・特任教授 中川和彦が、世界的な学術情報サービス企業、クラリベイト・アナリティクス社(Clarivate Analytics)の「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2024)臨床医学部門(Clinical Medicine)」に選出されました。
これは、世界の全論文のなかで引用回数が上位1%に入る研究論文を複数発表し、各分野で世界的に影響力のある研究者が選出されるもので、臨床医学分野においては、研究成果が臨床研究や治療法の改善、診断技術の向上などに結びつき、医学の進歩に重要な貢献をしていることを示します。
肝臓がんをはじめ、消化器がん全般を専門とする工藤正俊は令和元年(2019年)以降6年連続、肺がん研究や分子標的治療を専門とする中川和彦は令和3年(2021年)以降4年連続の受賞であり、臨床医学部門において近畿大学医学部・病院から4年連続で2名の同時受賞となります。




【本件のポイント】
●医学部主任教授 工藤正俊と、近畿大学病院がんセンター長・特任教授 中川和彦の2名が、クラリベイト・アナリティクス社「高被引用論文著者 臨床医学部門」に連続選出
●臨床医学部門において、近畿大学医学部・病院から4年連続で2名が同時受賞の快挙
●がん治療に関する臨床研究や新たな治療法の開発、診断に関する多くの研究論文を発表し続けており、近畿大学医学部・病院が世界におけるがん治療を牽引していることを示す

【本件の内容】
「Highly Cited Researchers」とは、クラリベイト・アナリティクス社が運営する論文検索サービス「Web of Science」に収録されている学術誌において、過去11年間に発表された論文のうち、他の研究者によって非常に高く引用され、各分野で上位1%に入るほどの影響を与えている研究者が選出されるものです。臨床医学、生物学、生化学、化学などの20分野に、一人の研究者が複数分野で論文を発表している場合の合計被引用件数を示すクロスフィールドカテゴリーを加えた、合計21分野の著者がリストアップされています。
令和6年(2024年)にリストアップされた21分野6,636名のうち、日本の機関に所属している研究者は全領域で78名、臨床医学部門においては5名です。
臨床医学部門における全国の大学医学部での受賞は、本学医学部の教授2名のみとなっており、さらに4年連続2名同時受賞は快挙と言えます。

【受賞者紹介】
工藤正俊(くどうまさとし)
所属:近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門)
職位:主任教授
専門:消化器内科学
論文出版数(Publications):1,294
総引用数(Total Times Cited):62,654
※令和6年(2024年)11月現在
Publons:https://publons.com/researcher/3112744/masatoshi-kudo/metrics/

【受賞コメント】
令和6年(2024年)も、6年連続で「Highly Cited Researchers」に選出されたことについて、大変光栄に思っています。本年は、当大学消化器内科学教室から89編の英文論文を出版することができました。消化器がんに関する論文が多く、「肝臓がん」のみならず、「胆道・すい臓がん」、「食道がん・胃がん・大腸がん」に関するものが多くを占めます。これも一重に、教室の先生方の意欲と頑張りによるところが大きいと大変感謝しております。
私は臨床医であり、「肝臓がん」の患者さんの命を救いたい、という一心で臨床研究を志し、これまで継続してまいりました。ひと昔前は、「肝臓がん」というと不治の病のように思われていましたし、実際そうでした。しかしながら、最近の免疫療法の急速な進歩に加え、私たちが開発した「局所焼灼療法・肝動脈塞栓療法や肝切除を免疫療法と併用する根治的治療戦略」により、「肝臓がん」の患者さんにも治癒をもたらすことができるようになってきました。これらの私たちのアイデアを世界に向けて発信・提唱し続けてきた結果、「局所治療・動脈塞栓療法と免疫療法を組み合わせる治療戦略」が国際共同医師主導臨床試験のみならず、複数の第3相国際共同ランダム化比較試験でも採用され世界レベルで実施され、令和6年(2024年)に米国臨床腫瘍学会消化器癌シンポジウム(ASCO-GI)や欧州臨床腫瘍学会(ESMO)においてその良好な結果が次々と発表されました。
これらの試験結果の論文発表も間近となっています。まさに日本から世界に向けて発信した治療戦略が、このような第3相国際共同臨床試験において採用・証明された意義は大変に大きいものがあります。すなわち、このことは日本のみならず世界中の肝臓がん患者さんの生命予後を延長することに繋がるからです。いわば私たちの提唱・研究成果が世界で認められ、目の前の日本の患者さんのみならず世界中の患者さんの命を救うことに繋がるわけですので、臨床医としては大変に大きいやり甲斐を感じています。
今後も多くの課題が残っているという意味において、臨床研究には終わりがありません。これまでも「肝臓がん」の治療成績では日本が世界をリードしてきましたが、今後も日本から世界に向けて「肝臓がん」の患者さんに治癒をもたらす新しい治療法の開発と、世界へ向けた発信を全力で行っていきたいと考えています。

【直近の論文紹介(一部)】
論文名:Adjuvant and neoadjuvant immunotherapies in hepatocellular carcinoma
掲載誌:Nature Review Clinical Oncology(IF=81.1)
URL  :https://doi.org/10.1038/s41571-024-00868-0

論文名:Four-year overall survival update from the Phase 3 HIMALAYA study of tremelimumab plus durvalumab in unresectable hepatocellular carcinoma
掲載誌:Annals of Oncology(IF=56.7)
URL  :https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0923753424000498

論文名:Nivolumab plus ipilimumab combination therapy in patients with advanced hepatocellular carcinoma previously treated with sorafenib: 5-year results from CheckMate 040
掲載誌:Annals of Oncology(IF=56.7)
URL  :https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534%2824%2900082-6/fulltext

中川和彦(なかがわかずひこ)
所属:近畿大学病院がんセンター
職位:センター長、特任教授
専門:腫瘍内科学
論文出版数(Publications):627
総引用数(Total Times Cited):55,824
※令和6年(2024年)11月現在
Publons:https://publons.com/researcher/4784574/kazuhiko-nakagawa/

【受賞コメント】
令和5年(2023年)3月で臨床の実務から一歩引いて、次第に学術論文に私の名前が掲載されることが少なくなってまいりましたが、今回もクラリベイト社が選出する「Highly Cited Researchers」に4年連続で選出いただいたことは大変名誉でありがたいことと心より喜んでおります。まず最初に、これまで数多く引用される優れた研究活動を共に計画、実施し、最終的に論文作成まで完結することにご協力いただいた近畿大学医学部腫瘍内科部門の皆様方、WJOG(西日本癌研究機構)、JCOG(日本臨床がん研究グループ)などの多くの究者の皆様に心よりの感謝を表したいと存じます。
本年も、新たに24篇の英文論文を発刊することができました。その中にはノーベル賞受賞者として有名な京都大学特別教授 本庶佑氏との共同研究で、平成27年(2015年)の年末に臨床試験を開始した医師主導治験「ニボリューション試験」の論文も含まれております。「ニボリューション試験」は、免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)の第2相試験です。この試験のユニークなところは、ニボルマブに有効な患者集団を特定するために、臨床試験でありながら主たる研究対象を臨床検体を用いた基礎研究にしていることです。実に論文化までに10年の歳月がかかりましたが、本年"Journal of Clinical Investigation(JCI)"に発表することができました。JCIは、内科医が一生に一度は論文発表してみたいと熱望する、権威ある医学雑誌です。これは、本研究の主任研究者である近畿大学医学部内科学教室(腫瘍内科部門)主任教授である林秀敏氏の多大なる功績により、達成されました。

【直近の論文紹介(一部)】
論文名:Soluble immune checkpoint factors reflect exhaustion of antitumor immunity and response to PD-1 blockade
掲載誌:Journal of Clinical Investigation(IF=14.6)
URL  :https://doi.org/10.1172/jci168318

論文名:Trastuzumab deruxtecan in patients with metastatic non-small-cell lung cancer(DESTINY-Lung01):primary results of the HER2-overexpressing cohorts from a single-arm, phase 2 trial
掲載誌:THE LANCET Oncology(IF=41.6)
URL  :https://doi.org/10.1016/S1470-2045%2824%2900064-0

論文名:Nivolumab Plus Chemotherapy in Epidermal Growth Factor Receptor-Mutated Metastatic Non-Small-Cell Lung Cancer After Disease Progression on Epidermal Growth Factor Receptor Tyrosine Kinase Inhibitors:Final Results of CheckMate 722
掲載誌:Journal of Clinical Oncology(IF=42.1)
URL  :https://doi.org/10.1200/JCO.23.01017

【関連リンク】
医学部 医学科 教授 工藤正俊(クドウマサトシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/569-kudou-masatoshi.html
医学部 医学科 特任教授 中川和彦(ナカガワカズヒコ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/755-nakagawa-kazuhiko.html

医学部
https://www.kindai.ac.jp/medicine/
近畿大学病院
https://www.med.kindai.ac.jp/


▼本件に関する問い合わせ先
広報室
住所:〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
TEL:06‐4307‐3007
FAX:06‐6727‐5288
メール:koho@kindai.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/



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