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衛星通信でドローン操作 災害時の輸送、和歌山県すさみで実証実験

すさみ町防災センターの駐車場から離陸する小型ドローン(7日、和歌山県すさみ町周参見で)
すさみ町防災センターの駐車場から離陸する小型ドローン(7日、和歌山県すさみ町周参見で)
 南海トラフ巨大地震などの災害に備えたドローンによる物資輸送の実証実験が7日、和歌山県すさみ町であった。災害で携帯電話通信網が利用できない場合を想定し、衛星を使ったインターネットサービス「Starlink(スターリンク)」でドローンを遠隔操作した。


 実験は、町やIT企業ソフトバンク(本社・東京都)などでつくる共同事業体「すさみスマートシティ推進コンソーシアム」が実施した。これまでも音声を放送できる「スピーカードローン」や衛星利用測位システム(GPS)を使った「デジタル津波避難訓練」など、最新技術を使ったさまざまな実験をしている。

 町内には大災害で孤立する可能性が高い地域が多数あることから、防災拠点から孤立地域へのドローンを活用した物資輸送の確立が重要視されている。

 さらに能登半島地震のように地上の通信が寸断する可能性があるほか、携帯電話の無電波区間もあることから、初めて衛星通信を使った実験をした。

 この日は、町防災センター(すさみ町周参見)から、約7・7キロ離れた口和深集会所(口和深)と、約7・3キロ離れた町総合運動公園内にあるキャンプ場(周参見)の2カ所へ、小型ドローンを使って、重さ約500グラムの薬剤を想定した物資を届けた。

 実験では、ドローンの安全性や操作性、送られてくるリアルタイムの映像などを確認した。今後、大型ドローンを使い、さらに重い物資を運ぶ実験もする予定。

 町は災害に備え、国道や線路上を避けて安全にドローンが飛行できる「空の道」を町内に計7本設定している。空の道は、平時も物流の輸送手段としての活用が期待されている。

 町防災対策室の岩田省吾室長は「衛星インターネットサービスは物資の輸送だけでなく、被災地域の画像や動画などの情報をいち早く収集するためにも必要になってくる。さらに実験を重ねていきたい」と話した。

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