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ミカンと梅のビールいかが

印南町生まれのクラフトビール「SIPPO CRAFT」(和歌山県印南町印南で)
印南町生まれのクラフトビール「SIPPO CRAFT」(和歌山県印南町印南で)
 和歌山県印南町印南の観光交流施設「かえるの港」を運営する「和み」(和歌山市)は、印南町やみなべ町産の本来なら廃棄されるはずの摘果したミカンや等級の低い梅を原料にしたクラフトビール3種類を販売している。本年度産は8月にミカンのビールが完成。梅は12月から店頭に並ぶ。

 クラフトビールは小規模な醸造所で造られるビールで、一般的なビールと比べて個性やこだわりが反映されやすい。近年は地元の食材を活用した商品が全国各地で生み出されている。

 かえるの港は印南漁港内の漁具倉庫や仮眠施設を改修した施設。和みは2022年にクラフトビール製造プロジェクトを開始し、クラウドファンディングでも資金を募った。試作品を観光客らに提供したところ好評で、23年秋から本格的に製造し販売している。

 商品名は縁起の良い七宝文様にちなみ「シッポウクラフト」とし、「ミカン」「青梅」「完熟梅」の3種類を展開。いずれも内容量330ミリで、税込み700円。和歌山工業高等専門学校がビール酵母の研究や商品のアドバイスなどをした。製造は和歌山市の醸造会社に委託している。

 本年度産の「ミカン」は8月に完成。約400本製造した。レモンピールを加え、すっきりと飲みやすい味になるようこだわった。現在販売しているのは「ミカン」のみで、「青梅」「完熟梅」の販売は、完成する12月以降となる。

■ふるさと納税品も

 今月からは数量限定で、印南町ふるさと納税の返礼品の一つに加えられた。3種類セットで「青梅」「完熟梅」ができ次第発送される。今までかえるの港での販売のみだったことから、全国の人に印南の魅力を届けたいという。

 ミカンは生産過程で、果樹の維持や成長のために幼い果実を間引く必要がある。本来摘果された果実は廃棄されるが、クラフトビールの原料として有効活用。摘果ミカンは庄田果樹園(印南町羽六)から調達している。「青梅」「完熟梅」に使われる梅は、傷がついて等級の低いものを活用、地元の農家から仕入れている。

 和みの担当者は「地元農家の協力があって商品ができている。今後はビール以外の商品も一緒に作り出していきたい」と話している。

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