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障害者アート広がれ 商品化に挑戦、和歌山ふぉんと

和歌山ふぉんとの活用法を話し合うワークショップの参加者(和歌山県田辺市湊で)
和歌山ふぉんとの活用法を話し合うワークショップの参加者(和歌山県田辺市湊で)
 障害者とデザイナーが協力して地元オリジナルのフォント(字体)やパターン(図柄)を生み出す「ご当地フォント」。企業や自治体に利用してもらうことで、障害者が収益を生みながら、社会とつながることができる。和歌山県内でも「和歌山ふぉんと」が誕生したが、どう商品化につなげるか。挑戦が始まっている。


 「ご当地フォント」は、障害者と支援事業所、デザイナーの3者による共創のプロジェクト。さらに社会にその輪をつなげることを目指している。東京都渋谷区で2017年に始まり、全国に広まっている。

 「和歌山ふぉんと」の活用を考えるワークショップがこのほど、田辺市湊の田辺エンプラスであった。和歌山ふぉんと実行委員会(和歌山市)と南紀みらい(田辺市湊)が共同で企画。職種や世代もさまざまな約30人がアイデアを出し合った。

 参加者からは「トイレットペーパーのような消耗品、文具などで使用すればテンションが上がる」「トンネル内を図柄でデザインすれば、通るのが楽しくなる」「名刺に使用すれば印象づけるきっかけになる」「ご当地ナンバープレートと組み合わせる」「電車や飛行機をラッピングする」などの声が上がった。

 他にも「選挙啓発ののぼりに使用」「観光客向けにホテルの浴衣の図柄に取り入れる」「(白浜町で)アロハシャツの図柄に取り入れる」といった具体的な使途や「紀陽銀行の通帳に特別版を加えてもらえないか」と企業名を挙げての提案もあった。

 神島高校2年の山中すみれさんは、高校生が写真の腕を競う「写真甲子園」に出場した際、障害者就労支援施設を撮影した優勝校の作品に影響を受け、ワークショップに参加した。「障害者のアートにはいろいろな可能性があると思う。私も使ってみたいデザインが多い。観光施設とコラボして、電車のつり広告などに活用できればPR効果が期待できるのでは」と積極的に意見を出した。

 和歌山ふぉんと実行委員長でデザイナーの吉岡理恵さんは「立場や生活環境によりアイデアも異なる。もともと無地が当たり前のものにデザインを取り入れる発想は新鮮だった。アイデアを実現できるよう働きかけていきたい」と話した。

 個人利用の場合、フォントは無料、パターンは500円。商用利用の場合は、サイズや用途により利用料を見積もる。「和歌山ふぉんと」「ご当地フォント」のサイトからダウンロードできる。

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