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「白浜温泉の歴史知って」 南紀白浜観光局がオリジナル絵本

幼児向け絵本の作者になった岡本千佳さん(白浜町で)
幼児向け絵本の作者になった岡本千佳さん(白浜町で)
 白浜町の南紀白浜観光局は、白浜温泉の歴史を知ってもらおうと、対象を分けた4種類の絵本を作った。製作に際してイラストや文章を募った幼児向けでは、町内在住の女性が描いた作品を採用した。観光局は「良い作品ができた。絵本が地域の歴史を知ってもらうきっかけになればいい」と期待している。


 日本書紀や万葉集にも登場し、天皇ら皇族も訪れた白浜温泉を幅広く知ってもらおうという事業。昭和天皇の行幸から90年で、平成から令和への改元があった節目の年に合わせて企画した。

 完成した絵本は、幼児向け(32ページ、190部)▽児童・生徒向け(巻末の資料編を含め52ページ、360部)▽大人向け(32ページ、220部)▽大人向けを英訳した外国人向け(120部)―の4種類。イラストの趣はそれぞれ違うが、いずれも湯崎七湯の精霊が登場し、主人公が白浜温泉の歴史などを知っていく物語になっている。

 幼児向けと児童・生徒向けは非売品。幼児向けは町立幼児園と保育園に、児童・生徒向けは町内の小中学校にそれぞれ贈る。大人向けと外国人向けは、昭和天皇行幸の1929年にちなんで1929円(税別)で観光局などで販売する。購入者には、町内の観光施設や飲食店で料金割引などが受けられるクーポンを贈る。また、絵本4種は町立図書館や県立図書館などに寄贈する。

「すごくうれしい」
作者の岡本さん

 幼児向けの作品コンテストで採用されたのは、白浜町堅田、会社員岡本千佳さん(31)が手掛けた「かなかなやまやまななけむり~ん」。

 主人公の男児が家族で白浜を訪れ、湯崎七湯の精霊と出会い、白浜温泉の歴史や海、景勝地などについて教わる物語。岡本さんがクレヨンや色鉛筆などで描いた柔らかい印象のイラストと、漢字を使わない文章でまとめている。

 岡本さんは観光局の作品募集を知り、7月下旬から約1カ月かけてイラストを描いた。物語は資料も参考にし、知人に協力してもらった。

 小さい頃から絵を描くのが好きだという岡本さんは「親しみやすいイラストを心掛けた。子どもたちが読んでくれると思うと、すごくうれしい」と喜んでいる。

 観光局によると、コンテストには和歌山を含め5道県から11件の応募があった。岡本さんの作品はキャラクターの独自性や物語の構成などが評価されたという。

 幼児向け以外の3種は、編集ライターや絵本作家らが文章やイラストを製作した。

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