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来春の開通予定を延期 硬い岩多く地盤ひび割れ、和歌山県のすさみ串本道路

硬質岩が多数発見された工事現場付近(和歌山県串本町和深で)=紀南河川国道事務所提供
硬質岩が多数発見された工事現場付近(和歌山県串本町和深で)=紀南河川国道事務所提供
 国土交通省近畿地方整備局の紀南河川国道事務所は19日、工事中のすさみ串本道路(和歌山県すさみ町江住―串本町サンゴ台、19・2キロ)について、来春としていた開通予定を見直すと発表した。工事現場で硬質岩が多数出て、地盤のひび割れが見つかったといい、開通時期の見通しは立っていない。


 硬質岩が多数発見されたのは、串本町和深の安指川(あざしがわ)橋(仮称)の橋脚の基礎部分工事。通常の掘削機では対応できず、機械を大型化するなどして対応しているが、通常より大幅に工事の時間がかかっているという。

 6月下旬に開かれた有識者の検討会で、今後の工事の方針について「安全性を考慮して現在の工法のまま丁寧に施工を進めていく」と決まった。

 さらに、すさみ町里野の小河瀬谷川橋(仮称)工事で7月9日、基礎掘削中に地盤のひび割れを発見。調査した有識者は「現状のままで工事の継続はできない。ボーリング調査などでひび割れ範囲を早急に特定し、対策工法を検討する必要がある」とした。

 19日は近畿地方整備局や県、すさみ町、串本町の職員による「事業工程会議」が県庁であり、開通時期を見直し、今後の状況を踏まえて検討することにした。

 すさみ串本道路は、大規模災害に対する「命の道」としても期待されている。ただ、開通が遅れることになったことから、大規模地震などが発生した場合は、工事用道路や施工済みの一部道路を、緊急輸送路や津波避難場所として活用できないか検討するという。

 岸本周平知事の話 早期整備を強く求めてきたが、施工条件の変化に伴い、時間を要するとのことであり、やむを得ない。国交省に対し、安全に十分配慮して工事を進めること、進捗(しんちょく)状況の情報共有、新たな開通予定時期をできるだけ早く提示することや、1日も早い開通を要請した。

 田嶋勝正串本町長の話 一日も早い高速道路の開通を願っていたので見直しは残念。想定外の状況が起きていると聞いている。今後も早期開通をお願いしていく。

 岩田勉すさみ町長の話 残念だが国交省も努力した結果なので仕方ない。今後は、完成を見込んで準備を進めていた事業者へのケアが必要になると思う。すさみ町としても協力していきたい。

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