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県外からウミガメ調査 一般市民がボランティア、和歌山県みなべ町の上陸産卵地で

調査拠点の「千里ウミガメ館」の前で、アカウミガメの大きさの測り方の説明を受ける参加者(11日、和歌山県みなべ町山内で)
調査拠点の「千里ウミガメ館」の前で、アカウミガメの大きさの測り方の説明を受ける参加者(11日、和歌山県みなべ町山内で)
 一般市民が環境ボランティアに参加する機会をつくっているNPO「アースウォッチ・ジャパン」(東京都文京区)の事業で、和歌山県外などからの一般ボランティアが11日から13日までの日程で、みなべ町の千里の浜や岩代の浜でアカウミガメの上陸・産卵調査に参加している。21~23日にも別のチームが訪れる予定。


 アースウォッチは、市民が自ら地球環境を守っていく社会づくりを目指し、環境問題に実証的な研究活動をしている研究者の野外調査に、ボランティアとして一般市民を派遣している。

 みなべ町の浜では毎年この時季、NPO日本ウミガメ協議会や、町教委、地元の有志でつくる「みなべウミガメ研究班」や若者でつくる「青年クラブみなべ」のメンバーがアカウミガメの上陸や産卵を調査している。アースウォッチは、2016年からその調査にボランティアを派遣しており(コロナ禍の20、21年は研究者のみ)、これまで延べ約150人が参加してきた。

 11日からのチームには、東京、神奈川、大阪、兵庫などからボランティア12人が参加。初日の11日は千里の浜に2班、岩代の浜に2班の計4班に分かれ、午後9時ごろから、日本ウミガメ協議会やみなべウミガメ研究班のメンバーの指導を受けながら浜を歩いた。

 千里の浜では午前1時台と2時以降に計2匹が上陸したが、産卵はしなかったため、大きさの測定や標識の確認・取り付けなどはしなかった。岩代の浜では、上陸が確認できなかった。

 岩代の浜を調査した東京都北区の大学生、圓林悟さん(20)は「踏切のそばの照明が浜までもれてきていたり、近くの山の斜面を固める工事の影響か、浜にコンクリートが落ちていたりと、『ウミガメの視点』で浜を見ると、産卵しにくい状況があることに気付いた」と話した。

 浜の調査前には、同町埴田の国民宿舎紀州路みなべで、日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長による講義があった。松沢会長は、みなべ町は本州最大のアカウミガメの産卵地であることや、地球には8種類のウミガメが生息し、うち日本で産卵するのは3種類であること。アカウミガメは自分が生まれた浜に産卵のため戻ってくることや、夜に砂浜に上陸し、深さ50~60センチの穴を掘って、ピンポン玉くらいの卵を約20分かけて100~120個ほど産むことなどを説明した。

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