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多様な梅酒生産可能に みなべ町のメーカーが特区条件解除

現在販売している4種類の梅酒(和歌山県みなべ町西本庄で)
現在販売している4種類の梅酒(和歌山県みなべ町西本庄で)
 和歌山県みなべ町の紀州みなべ梅酒特区に参画して梅酒を製造販売してきた梅加工会社「紀州本庄うめよし」(山西一善社長)が、製造量などの審査を受けてこのほど、御坊税務署から条件の解除を受けた。町産の梅以外を使用できるようになったことで、同社は「商品にバリエーションを作り、引き続き町産の梅と梅酒をPRしたい」と期待している。

 町が認定を受けた特区で、同社は町内で最も早い2009年4月にリキュールの製造免許を取得。これまで日本酒や泡盛、ブランデーをベースとした4種類の梅酒を発売してきた。

 海外も含めた営業活動に力を入れたことで梅酒事業が浸透し、4年前には条件解除の製造量の基準である年間6千リットルを超えた。同社からの申請を受けて税務署が過去の実績や製造設備、技術を審査検討し、このたび条件解除を通知した。これにより「町内で生産された梅を原料とする」「町内で製造する」という条件がなくなった。

 同社は、別の酒類会社が販売する梅酒の製造元にもなっており、その協議の中で、他の果実と組み合わせた梅酒も検討してきた。また、自社以外の設備を利用できるようになることで、炭酸入り製品などの商品化のハードルが下がった。

 今後も町産の梅を使うという基本は変えずに、原料の工夫により多角的に梅や梅酒の魅力をPRしたいという。同社経理課の硲美江さんは「ひと味違う梅酒を開発できることに期待している。一方で、特区に参加している事業者や農家が一丸となり、みなべの梅を広めていきたい」と話している。

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