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宝石のような朝露まとう 和歌山・国内最小のハッチョウトンボ

朝露をまとったハッチョウトンボの雄(8日、和歌山県古座川町直見で)
朝露をまとったハッチョウトンボの雄(8日、和歌山県古座川町直見で)
 日本で最も小さいトンボ「ハッチョウトンボ」が、和歌山県古座川町直見の大谷湿田で羽化している。早朝、宝石のような朝露をまとった姿や草に止まって羽を乾かす姿が見られる。町教育委員会によると、羽化のピークは例年5月下旬~6月上旬だという。


 体長は約2センチで、雄は赤色、雌は黒と黄色のしま模様が特徴。ネパールやインド、マレーシアなどの東南アジアからオーストラリアにかけて広い範囲に分布している。日本は北限分布地になる。

 生息の条件は、湿地性の植物が生育する明るい湿原▽泥のある水深1~3センチの水辺が広がっている▽湧き水などで絶えず水が確保されている▽水質はやや酸性▽汚染水の流入がない―などが挙げられる。

 大谷湿田は、1992年にハッチョウトンボが大量に見つかり、2000年に町の天然記念物に指定するなど保護に努めている。

 一方で、具体的な調査はしていないが、ハッチョウトンボの数が減っている。さらに、以前はいなかったとされるメダカが確認されており、対策している。

 町の担当者は「観察する場合は木道からそっと見守ってもらえたらありがたい」と話している。

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