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スターチスの新品種開発 和歌山県、低温でも高収益

和歌山県暖地園芸センターが開発したスターチス新品種の「紀州ファインオーシャン」(手前)と「紀州ファインライラック」=和歌山県庁で
和歌山県暖地園芸センターが開発したスターチス新品種の「紀州ファインオーシャン」(手前)と「紀州ファインライラック」=和歌山県庁で
 和歌山県暖地園芸センター(御坊市)は、スターチスの県独自品種として淡い紫色の「紀州ファインライラック」と、淡い青紫色の「紀州ファインオーシャン」を開発した。いずれも加温しなくても、高い収量を確保できるよう育成した品種で、コスト抑制や生産者の所得向上を目指すという。

 スターチスの県出荷量は全国トップ。農林水産省の最新の統計によると、2017年の全国出荷量1億2490万本のうち、和歌山県産は6240万本で半数を占める。県内では主に御坊・日高や田辺・西牟婁で生産。県はこれまで、色や品質、耐病性を重視し「紀州ファインシリーズ」として10品種を開発してきた。

 以前は夜間、ハウス内を加温し12度で管理する栽培方法が一般的だったが、15年ほど前からの燃油価格の高騰により、加温しなかったり、霜が降りない程度の2度に設定したりして、コストを抑える栽培方法が主流になってきた。一方で、既存の県独自品種では収量が減少するという課題が出てきたため、生産者から新品種の開発が求められていた。

 「紀州ファインライラック」は既存の県独自品種より切り花本数が1・4~1・8倍となり、花房の数が多いほか、枝が広がらず収穫しやすい。一方「紀州ファインオーシャン」は1・2~1・7倍で、花房が大きく、ボリューム感が出るという特長がある。

 県が品種登録出願中で、2021年3月に品種登録される見込み。出荷は来年秋ごろから始まる予定。

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