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デジタルで生産性向上と人材育成 串本町の建設会社「小森組」に日本DX推進協会賞

全国大会で取り組みを発表する小森脩平専務(東京都千代田区で)
全国大会で取り組みを発表する小森脩平専務(東京都千代田区で)
 東京都でこのほどあった「全国クラウド実践大賞2023全国大会」(実行委員会主催)で、和歌山県串本町串本の建設会社「小森組」が日本デジタルトランスフォーメーション推進協会賞を受賞した。建設現場で情報通信技術(ICT)を活用してDX(デジタル変革)を推進し、生産性向上と人材育成の両立を試みた点が評価された。


 大会は、クラウドを活用し、新規事業の創造や業務効率化などを実現した地域企業の事例を発掘、共有し、実践のヒントを得ることを目的に2019年から開催している。

 昨年、10月に全国6ブロックであった地方大会で選ばれた8社が登壇した。小森組は串本町商工会から推薦を受けて出場し、近畿大会で最優秀賞に選ばれた。「i―construction(アイ・コンストラクション)を用いた生産性向上と人材育成」と題して、同社の小森脩平専務(34)が発表した。

 建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに年々減少している。2022年は206万人減って479万人。小森組は、人口が減り、人手不足による倒産や生産力の弱体化が予想されるため、システムを刷新しなければ生き残っていけないという強い危機感を持っていたという。

 そこで、ICTを活用した次世代施工「i―construction」に、2年半ほど前から取り組んでいる。レーザー測量や3次元設計データ、データを反映して自動運転で施工できる重機など、生産性向上につながっている。

 重機などのリース料金が高額で、多くの建設業者が大きな工事の時だけ外注している中、同社は専用の機材を保有して「内製化」して、どんな規模の工事でも施工できる体制をつくったという。

 また、クラウドを活用して工事書類やデータが社内に蓄積されるようになり、社員全員が書類を参考にでき、人材育成の面でも役に立っている。これらの取り組みによって工期が短縮できるようになったり、休日数が増えたりしたといった効果があったという。

 小森専務は「生産性の向上と人材育成に効果的中だった上に、賞も獲得できて方向性に間違いがなかったと自信が持てた。この流れで他社と差別化し、オンリーワンな企業を目指したい」と喜びを語った。

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