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被災者に公営住宅 能登半島地震、和歌山県から支援が本格化

能登半島地震を受けて設置した義援金の募金箱(和歌山県みなべ町で)
能登半島地震を受けて設置した義援金の募金箱(和歌山県みなべ町で)
 能登半島地震の発生を受け、和歌山県内からの支援が本格化している。石川県には県内から行政職員や医療関係者らが派遣されているほか、県や市町村は公営住宅を用意し、避難者を受け入れる準備を整えている。

 県は9日、避難者に対し、県営住宅22戸を一時的に無償提供すると発表した。別に14市町も計51戸を提供する。

 国土交通省から全国への、避難者受け入れについての呼びかけに応じた。受け付けは10日に開始した。入居には原則、り災証明書が必要となる。

 県営住宅は和歌山市内12戸、田辺市内1戸、太地町内1戸などを提供する。共益費や自治会費、光熱費などは必要だが、家賃や敷金、駐車場使用料は無償。入居期間は原則1年以内。

 市町営住宅は、田辺市(14戸)、上富田町(3戸)、串本町(2戸)、古座川町(1戸)、那智勝浦町(1戸)などが用意している。

 県営住宅の問い合わせは県建築住宅課(073・441・3212)へ。市町村営住宅を含めた情報は、県ホームページで案内していて、変更があれば随時更新する。

■医療関係の支援続々

 県内の医療機関などから9日、石川県に支援チームが次々と応援に向かった。

 県は石川県からの要請により、DMAT(災害派遣医療チーム)を派遣している。県立医大付属病院(5人)と和歌山労災病院(4人)の第1班が9日に出発。13日まで活動する。入れ替わる形で、公立那賀病院(7人)と新宮市立医療センター(6人)の第2班が14~17日の日程で活動する。石川県立中央病院を参集拠点とし、診療支援をする。

 日本赤十字社和歌山医療センター(和歌山市)は9日、輪島市に救護班を派遣した。医師と看護師、薬剤師、事務調整員の7人。移動日を含めて13日までの日程。避難所での救護活動や在宅被災者への巡回診療に必要な調査、診療を実施する。

 県薬剤師会は9日、日本薬剤師会の要請に基づき、薬剤師5人と、モバイルファーマシー(災害対応医薬品供給車両)を石川県に派遣。車両内で調剤や薬の相談対応などをする。

■今は待機、義援金で支援を 県ボランティアセンター

 県災害ボランティアセンター(和歌山市)に、「何か力になれることはないか」と被災地に思いを寄せる問い合わせが相次いでいる。センターでは「今は義援金の協力をお願いしたい。復興の段階が進めば、必ず皆さんの力が必要になる。その時まで待機してほしい」と呼びかけている。

 センターによると、全国社会福祉協議会で被災地の状況や必要な支援を調査している。近畿ブロックでも11日に会合があり、具体的な対応を話し合うという。

 センターでは「現段階では道路が寸断され、復旧が進んでいない。行方不明者が多く、被害の全容も確認できていない状況」と説明。「今現地に駆け付けても必要な支援はできない。物資を個人で送っても現地で対応できない。はやる気持ちを抑え、待ってほしい」と話している。

 今できる支援として義援金がある。石川県が日本赤十字社石川県支部などと連携して募っているほか、全国災害ボランティア支援団体ネットワークや日本財産、中央共同募金会なども募金活動をしている。

 和歌山県災害ボランティアセンターは、2008年10月に発足し、12年5月に登録制度を始めた。約600人が登録している。

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