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基準値超のヒ素とフッ素検出 国道168号のトンネル、和歌山県が工事中止し対策検討

基準を超えるヒ素やフッ素が検出され、工事が打ち切られる予定の仮称2号トンネル(新宮市高田で)=和歌山県提供
基準を超えるヒ素やフッ素が検出され、工事が打ち切られる予定の仮称2号トンネル(新宮市高田で)=和歌山県提供
 和歌山県は1日、工事中の国道168号の仮称2号トンネル(新宮市相賀―高田、約2・7キロ)で、掘削中に基準値を超えるヒ素やフッ素が検出されたと発表した。工事を継続した場合、処理などで約200億円の工事費増が見込まれるため、工事を打ち切り、コスト縮減策を検討した上で再発注する予定。県発注のトンネル工事の打ち切りは前例がないという。

 同トンネルはこの区間のバイパス道。掘削は昨年9月に開始し、12月にフッ素、今年9月にヒ素を検出。土壌汚染対策法で、1リットル当たりフッ素は基準値0・8ミリグラム、ヒ素は基準値0・01ミリグラム以上であれば処理の必要がある。約1割を掘削した時点で、230回中219回の検査でフッ素やヒ素を検出。最高でフッ素3・1ミリグラム、ヒ素は0・05ミリグラムを検出した。

 掘削前に両方向から50メートル前後を調査し、フッ素やヒ素を検出したが、これほどの範囲になるとは想定できなかったという。

 土砂は約2万5千立方メートルになり、御坊市にある処分場で処理している。このまま工事を継続した場合、運搬費用や処理費用など、契約金額約70億6千万円の約4倍の約270億円になると想定された。工事の打ち切りに向けて受注者と協議を開始したという。土砂を他の道路工事の盛り土にする方法などコスト縮減策を検討する。

 県によると、4月に開通した供用開始前の仮称1号トンネル(新宮市相賀、979メートル)でも工事中に基準値を超えるフッ素やヒ素を検出。工事費は確定前だが、27億円から70億円超に膨らむという。

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