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8割が「聞いたことある」 「熊野古道」の国内アンケート、実際に訪問は1割

熊野古道を歩くために滝尻王子を出発する観光客(12日、和歌山県田辺市中辺路町で)
熊野古道を歩くために滝尻王子を出発する観光客(12日、和歌山県田辺市中辺路町で)
 和歌山県田辺市内の熊野古道沿いで宿泊施設を運営している企業が、国内の520人を対象に熊野古道の認知度や訪問経験などについてアンケートをしたところ、8割が熊野古道について「聞いたことがある」と答えた。ただ、日帰りと宿泊を合わせた訪問経験は1割ほどで、同社は「知名度は高いが、マーケティングの余地は大きい」としている。


 同市中辺路町高原と近露で宿泊施設「SEN.RETREAT(セン・リトリート)」を運営している日本ユニスト(大阪市)が調査した。インバウンド(訪日外国人客)の来訪が大きく増える中で日本人客が少ないのではないかという課題意識のもと、今後の施設運営に生かしたいという。調査機関によるインターネット調査で、今年8月に47都道府県に住む20歳以上の男性261人、女性259人が回答した。

 熊野古道の認知度についての質問では、53・8%が「確かに聞いたことがある」、25・2%が「なんとなく聞いたことがある」と回答。同社は2004年の世界遺産登録をきっかけに全国的に知名度が高まった結果とみている。

 ただ、実際に訪れたことがあるかという質問では「日帰りで観光したことがある」が6・3%で、「宿泊したことがある」は3・8%。同社は「宿泊を伴う日本人の来訪が少ない」と指摘する。

 さらに熊野古道から連想するイメージを複数回答で聞いたところ、「世界遺産」が41・7%で最も多かった。この他は「自然の景観が美しい場所」(34・6%)、「熊野信仰」(26・2%)、「那智の滝などの自然」(23・7%)、「熊野本宮大社の大鳥居」(17・5%)といった回答が目立った。

 同社は「世界遺産以外のイメージがばらけており、訪れようという行動を起こさせるまでのイメージが定まっていない。2泊3日といった日程で熊野古道を歩いてもらえるよう『人生の節目で歩く道』をコンセプトに今後アピールできればと考えている」と話している。

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