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【動画】特急「南紀」新型車両デビュー ハイブリッドのHC85系、名古屋-和歌山県新宮・勝浦間

 JR東海は1日、名古屋―新宮・紀伊勝浦(和歌山県)間を運行している特急「南紀」に、国内で初めてハイブリッド方式で最高時速120キロを実現した新型車両「HC85系」を導入した。那智勝浦町の紀伊勝浦駅ではこの日、初列車の到着に合わせて堀順一郎町長や観光関係者らが歓迎。観光振興に向け、来年登録20周年を迎える世界遺産との相乗効果を期待する声も聞かれた。

 JR東海によると、特急「南紀」は名古屋駅から紀伊勝浦駅までの約250キロを運行しており、6月末まで31年にわたって使用された「85系気動車(キハ85系)」の後継として、1両当たり1台のエンジンで発電した電力と蓄電池にためた電力を組み合わせて電動機で走行する「HC85系」を、昨年7月の特急「ひだ」に続いて導入。これまでより安全性や静粛性、乗り心地が向上し、排出する二酸化炭素が減るなど環境負荷の低減も図ったという。

 この日は午前8時2分に名古屋駅を出発した4両編成の初列車が正午前、紀伊勝浦駅に到着。町や町内の観光関係者ら約20人が平安衣装やそろいの法被姿で歓迎し、乗客に記念品を配るなどした。大阪府羽曳野市の男性(48)は「静かで快適。初列車に乗ることができてすごく良かった」と笑顔を見せた。

 HC85系の開発に携わったJR東海車両部車両課の鈴木恭平課長代理(37)は「最新の技術を盛り込んだ車両になっており、乗っていただければ次世代の車両だと実感いただけると思う。来年世界遺産登録20周年を迎えるので、HC85系のデビューとの相乗効果を期待し、ぜひ多くのお客さまに乗っていただいて旅行を楽しんでほしい」と話す。

 堀町長も「私も以前に乗らせていただいたが、すごく静かで窓も広くて快適な乗り心地。新型車両の導入で旅がより楽しいものになり、お客さんがどんどん増えて観光振興、地域の活性化につながっていくのではないか」と期待している。
地域住民らの歓迎を受けながら紀伊勝浦駅に到着した特急「南紀」の新型車両「HC85系」(和歌山県那智勝浦町で)
地域住民らの歓迎を受けながら紀伊勝浦駅に到着した特急「南紀」の新型車両「HC85系」(和歌山県那智勝浦町で)
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