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「過労死ライン」6人に1人 和歌山県教職員の実態調査

 和歌山県教職員組合は、県内の小中学校や特別支援学校の教職員にアンケートした結果、6人に1人の割合で「過労死ライン」を超える時間外勤務をしていると発表した。組合は教職員数を増やす必要があるとして、市民に署名協力を求め、国に定数増加に向けた法律改正を求めていくという。

 組合は6、7月にアンケートを実施し、小中学校や特別支援学校の教職員の約2割に当たる1620人から回答を得た。自宅での持ち帰り仕事や休日勤務を含めた時間外勤務時間を聞いたところ、過労死ラインとされる「月80時間以上」に当たる「週21時間以上」との回答が17%だった。中でも中学校は25%と多かった。

 特に中学校では、1カ月当たりの休日出勤日数について3日以上と答えた人が55%あった。中学校はクラブ活動指導があるため、時間外勤務や休日出勤が多い傾向にあるという。

 自由記述欄には「働き方改革で平日は早く帰されるので、休日出勤しなければならず、疲れが以前より増した」「働き方改革と言いながら、外国語の時限数を単純に増やすなど矛盾している」などという意見もあり、勤務時間の短縮が求められる一方で、学校によっては業務は減っていないことも分かったという。

 また「多忙が子どもたちに悪影響を与えているか」との問いには85%が「与えている」と回答。「事務処理の多さが多忙化を引き起こしている。生徒とゆっくり向き合える時間を増やしてほしい」「このままの勤務状態では子どもに余裕を持って接することができず不安」などの意見があった。

 多忙の原因としては、教員数が足りない▽報告、アンケート、提出書類が多い▽クラブ活動▽会計処理―などが挙げられた。

 記者会見した武田正利執行委員長は「学校現場はブラックな職場になっていると全国的に言われている。働き方改革と言われる中で、実態はどうか把握したいと実施した。教職員の労働条件は生活や健康だけでなく、子どもの教育にも関わる」と話した。

 これに対し、県教育委員会総務課は「働き方改革に取り組んできたが、今後も引き続き校務の効率化に向けて取り組みを推進する」とコメントしている。
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