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【動画】熊野15一絵(3)田辺市中辺路町/潮見峠から見る二つの海

 熊野古道・潮見峠の名は、新宮から山中に入った旅人にとっては最初に、田辺から本宮や新宮へ向かう人々にとっては最後に、海(田辺湾)を望む景勝地だったことに由来するという。

 しかしこの地には、もう一つの海・雲海に出合える場所が峠の近くにある。トイレを備えた峠の休憩所から田辺市中辺路町小皆方面へ、熊野古道のルートとなっている市道を700メートルほど下った先の一気に視界が開ける場所である。

 ここが雲海観賞の人気スポットだ。東に視界が開けているので、太陽は正面の山並みから現れる。日の出前に訪れると、富田川流域を覆うように雲海が眼下に広がっている。次第に明るくなり、昇り始めた太陽が白い海を赤く染めた。

 雲海に出合うには、昼夜の寒暖の差が大きくて湿度も高く、風の弱い日が最適で、秋が本格的なシーズンだ。しかしこの市道は、軽自動車同士の対向が難しいほど狭く、冬場には凍結することもある。注意が必要だ。 (牧康宏)
=随時掲載
富田川流域に広がった雲海(2016年10月12日午前6時11分、田辺市中辺路町で)
富田川流域に広がった雲海(2016年10月12日午前6時11分、田辺市中辺路町で)
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