ハラスメント根絶へ 学童野球で新たな制度
和歌山県の田辺西牟婁学童野球協議会(加盟17クラブで13チーム)が、スポーツ現場でのハラスメント(嫌がらせ)をなくそうと取り組む。今季からポイント制のリーグ戦を導入。勝敗だけでなく、元気な入場行進などをしたチームにポイントを与え、指導者のマナーが悪いチームは減点する。杉若庄平会長(58)は「勝利至上主義はさまざまな弊害を生む。伸び伸びと野球を楽しんでほしい」と話している。
スポーツの指導者らによる体罰や暴言などが社会問題になっている。田辺・西牟婁の学童野球では杉若会長が「ハラスメントゼロ」を宣言しており、子どもに対する指導者らの威圧的な行為はなくなっているという。
公式戦となる各大会は昨年まで、トーナメント方式で優勝を争っていた。敗退したチームは試合数が少なくなるなどの問題があり、さまざまなチームと対戦して成長する機会を与えようと、一部の大会でリーグ戦を導入する。
リーグ戦の勝敗によってポイントを与えるほか、チームで時間内でのキャッチボールの回数を競う大会「キャッチボールクラシック」の回数も加点される。全チームが参加する大会の開会式で「行進賞」を受賞したチームや新入部員を獲得したチームにもポイントが入る。
試合中に指導者が感情的になったり、ベンチのマナーが著しく低下したりするなどして、規律違反と判断された場合は減点の対象になる。
年間の合計ポイントが最多のチームが年間チャンピオンとなる。少子化などの影響で部員数が減少し、クラブの統合や合同チーム化が進む中、杉若会長は「少人数のクラブでも輝ける場をつくりたい」と話している。4日に新人戦が開幕し、学童野球のシーズンが始まる。
■指導者研修も開催
協議会は2月、田辺市内で「グッドコーチング研修」を初めて開き、加盟クラブの監督やコーチら45人が参加した。和歌山大学教育学部の矢野勝教授が講師を務め、ハラスメントを起こさないためには指導者の人間力の向上が求められることや、選手を中心に周囲の指導者らと共に成長する「プレーヤーセンタード」という概念を学んだ。
芳養クラブコーチの木村博充さん(57)は「新しい概念を学ぶことができた。選手を中心に指導者も保護者も共に高まり、成長できるような指導をしていきたい」と話した。
また別の日には、協議会の役員や各クラブの指導者ら35人が上富田町内で救急救命講習を受けた。田辺市消防本部上富田分署の署員と女性消防団員が指導。胸骨圧迫や自動体外式除細動器(AED)を使った心肺蘇生法などを学んだ。
スポーツの指導者らによる体罰や暴言などが社会問題になっている。田辺・西牟婁の学童野球では杉若会長が「ハラスメントゼロ」を宣言しており、子どもに対する指導者らの威圧的な行為はなくなっているという。
公式戦となる各大会は昨年まで、トーナメント方式で優勝を争っていた。敗退したチームは試合数が少なくなるなどの問題があり、さまざまなチームと対戦して成長する機会を与えようと、一部の大会でリーグ戦を導入する。
リーグ戦の勝敗によってポイントを与えるほか、チームで時間内でのキャッチボールの回数を競う大会「キャッチボールクラシック」の回数も加点される。全チームが参加する大会の開会式で「行進賞」を受賞したチームや新入部員を獲得したチームにもポイントが入る。
試合中に指導者が感情的になったり、ベンチのマナーが著しく低下したりするなどして、規律違反と判断された場合は減点の対象になる。
年間の合計ポイントが最多のチームが年間チャンピオンとなる。少子化などの影響で部員数が減少し、クラブの統合や合同チーム化が進む中、杉若会長は「少人数のクラブでも輝ける場をつくりたい」と話している。4日に新人戦が開幕し、学童野球のシーズンが始まる。
■指導者研修も開催
協議会は2月、田辺市内で「グッドコーチング研修」を初めて開き、加盟クラブの監督やコーチら45人が参加した。和歌山大学教育学部の矢野勝教授が講師を務め、ハラスメントを起こさないためには指導者の人間力の向上が求められることや、選手を中心に周囲の指導者らと共に成長する「プレーヤーセンタード」という概念を学んだ。
芳養クラブコーチの木村博充さん(57)は「新しい概念を学ぶことができた。選手を中心に指導者も保護者も共に高まり、成長できるような指導をしていきたい」と話した。
また別の日には、協議会の役員や各クラブの指導者ら35人が上富田町内で救急救命講習を受けた。田辺市消防本部上富田分署の署員と女性消防団員が指導。胸骨圧迫や自動体外式除細動器(AED)を使った心肺蘇生法などを学んだ。