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カモメの飛来10分の1に 田辺湾周辺、漁業の盛衰影響か

堤防で羽休めするセグロカモメの群れ(和歌山県みなべ町で)
堤防で羽休めするセグロカモメの群れ(和歌山県みなべ町で)
 近年、和歌山県の田辺湾やその周辺で、冬鳥のカモメ類の飛来数が激減している。日本野鳥の会県支部幹事の津村真由美さんは「ピーク時の10分の1程度に減っており、漁業の盛衰に関係があるのでは」と分析している。

 田辺湾やその周辺で見られるカモメ類は、セグロカモメが最も多く、オオセグロカモメやカモメ、ウミネコ、ユリカモメなども飛来している。最も多かった1980年代には、1万羽以上が越冬していた。

 以前は、田辺市の会津川河口でユリカモメの群れが羽休めをしたり、みなべ町堺の漁港で水揚げのおこぼれにあずかろうと、セグロカモメが大挙して押しかけたりする姿が見られた。トサカカモメやキングカモメと呼ばれた個体もその1羽。

 現在は全ての種類を合わせても千羽程度と推測されている。

 県内の太平洋岸(美浜町以南)の漁獲量は、国のデータでみると、ピーク時の80年代は年間5万トン前後で推移していた。90年代には4万トン前後、2000年代は2万トン前後へと減少。10年代はさらに減り、18年(9311トン)に初めて1万トンを切った。19年は7210トンで、最も多かった1986年(5万5948トン)の8分の1程度になっている。

 津村さんは「近年は養殖業も減ってきている。カモメたちが漁業に依存していたことがうかがえる」と話している。

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