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チェーンソーで来年のえと彫刻 元世界チャンプの城所さん

チェーンソーで「辰」を彫刻し、迫力のショーを披露する城所ケイジさん(和歌山県上富田町下鮎川で)
チェーンソーで「辰」を彫刻し、迫力のショーを披露する城所ケイジさん(和歌山県上富田町下鮎川で)
 和歌山県上富田町下鮎川の成道寺(赤松弘典住職)で4日、節分祭があった。本堂での法要の後、田辺市龍神村在住のチェーンソーアート元世界大会チャンピオン、城所ケイジさん(55)が来年のえと「辰(たつ)」を彫刻するカービングショーを披露した。

 城所さんは2010年、成道寺の境内に生えていた樹齢200年以上のクスノキを使用し、「双龍」を彫刻した。その縁で、毎年節分祭に合わせてえとを彫刻し、寺に奉納。今回で十二支が全てそろった。21年にはコロナ禍の終息を願い妖怪「アマビエ」の彫刻も制作している。

 節分祭には、総代や檀家(だんか)、一般の計約50人が参加。無病息災や家内安全などを祈願して、全600巻ある大般若経を1巻ずつ扇のように広げて転読する「大般若祈祷(きとう)」を営んだ。

 その後、境内で城所さんがチェーンソーを使った彫刻を披露した。樹齢100年ほどのスギの木材(高さ33センチ、横67センチ、厚さ11センチ)を使用し、30分ほどで「辰」を削り出した。後日、細かい部分を仕上げてから寺に奉納するという。

 コロナ禍のため、ショーとしてえとを彫刻するのは3年ぶり。城所さんは「30分にしては、良い出来だと思う。十二支がそろう12年という時間を経て、世の中はいろいろ変わっている。あっという間だったが、感慨深いところもある」と語った。

 赤松住職(51)は「建て替えのため今年の春には本堂を解体する予定なので、間に合って良かった。十二支も双龍とともに、皆さんの希望となってもらえたら」と話した。
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