和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

和歌山県内8JA合併に向け研究・協議 24年度中の実現目指す

 和歌山県内JAグループは、県内の8JAが一つになる「県1JA合併」に向けて研究、協議を進めている。2024年度中を目指す。7月には合併協議会を立ち上げた。現時点では各JAの組合長によって考え方に違いもある。


 現在、県内には、わかやま(和歌山市)、ながみね(海南市)、紀の里(紀の川市)、紀北かわかみ(橋本市)、ありだ(有田川町)、紀州(御坊市)、紀南(田辺市)、みくまの(那智勝浦町)の8JAがある。

 2018年の県JA大会で、県1JA合併を前提にした研究を行うと決議した。農業やJAを取り巻く環境が厳しさを増す見通しを踏まえ「盤石な経営基盤の元で、県内農業の振興や地域活性化に貢献できるJAグループの在り方について、県1JA合併を前提に研究を行う」としている。

 昨年11月の県JA大会決議でも、県JAグループの組織再編を盛り込んでおり、24年度中の合併を目指し、研究・協議を進めるとした。

 7月には、各JA組合長らが中心となり「合併協議会」を立ち上げた。県内JAグループは「さまざまなJAの事業があり、組織体制のこともあるし、多方面から研究を進めているところ」という。

 JA紀南では、理事会で県1JA合併についての議論を進めているが、現時点では具体的な議論の材料がなく、話が深まりにくい状況という。

 JA紀南の山本治夫組合長は「合併の前提として各JAが課題を解決することが必要で、課題を抱えたまま一緒になっても効果はない。農協は大きければ良いというのではなく、組合員との接点ができるだけ保てる形が良い。是が非でも合併しなければいけないとは考えていない」と話す。

 また「組合員の合意も大切。議論できる材料が整い次第、できるだけ早い時期に地区懇談会などで組合員に話ができるようにしたいと思っている」という。

 一方、JA紀州の芝光洋組合長は、JA紀州が発足して9年目となるが、正組合員数が減ってきている中で、経営基盤のためには県1JA合併は避けて通れないという考え方だ。

 「県下が一つになることで削れる経費は削り、営農や販売を重点にし、組合員に稼いでもらうことが一番。県下には多彩な農作物があり、後継者をもり立て、次の世代に農業を引き継いでもらえる形をつくらなければいけない」と語る。

 組合員には機会を見て各地区懇談会を開き、現状を説明する予定。

 JA全中によると、7月1日現在の全国のJA数は551。各都道府県で一つのJAとなっているのは、奈良、島根、山口、香川、沖縄の5県ある。ほかに、福井や岡山、高知県などのように一部に独立したJAを残した県域合併JAも五つあるという。

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