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【動画】清流に秋の味覚 和歌山県の古座川でモクズガニ漁

 清流で知られる古座川やその支流が流れる和歌山県古座川町で、モクズガニの漁がシーズンを迎えている。秋の味覚として親しまれており、住民らが魚のあらなどを入れた籠を川底に仕掛け、翌朝などに引き上げている。

 同町佐田の七川ダムより下流の本流や支流をエリアとしている古座川漁協では、9月1日~12月31日が漁期。甲羅の幅(甲幅)5センチ以下は逃がすことや、仕掛ける籠を1人3個以下に制限することで資源を守っており、組合員以外は遊漁料として年券3300円が必要。

 組合員の谷口清さん(91)=古座川町小川=は今シーズン、9月3日ごろから漁を始めた。10月1日の朝、古座川の支流・小川に前日の夕方に仕掛けた籠を川底から引き上げたところ、甲幅5~8センチほどのモクズガニが4匹入っていた。谷口さんは「モクズガニ漁が始まると、もう秋やなと思う。夕方に籠を漬け、朝上げに来るのが楽しみ。みそや大きなはさみの身もおいしい」と笑顔を見せた。

 県立自然博物館(海南市)によると、モクズガニ(モクズガニ科)は最大で甲幅が10センチほどになるとされ、雄よりも雌の方が大型になる傾向がある。体は緑がかった褐色をしており、はさみに黒い毛がびっしり生えているのが最大の特徴。

 国内では北海道から琉球列島、小笠原諸島に分布し、成体は河川淡水域から汽水域まで広く生息する。県内では9~11月ごろに海へ下り、春ごろまで産卵した後、死ぬ。ふ化した幼生は海域で分散してから河口域へ入り、稚ガニが河川を遡上する。

 高級食材として知られる「上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)」とは近縁関係にあるという。

籠に入っていたモクズガニ(和歌山県古座川町小川で)
籠に入っていたモクズガニ(和歌山県古座川町小川で)
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