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自動運転車が町内巡回 太地町で和歌山県内初実験

式典会場から出発する自動運転の車両(29日、和歌山県太地町で)
式典会場から出発する自動運転の車両(29日、和歌山県太地町で)
 和歌山県太地町は8月、自動で走る小型車両を使った実証実験を町内で始める。この車両を高齢者らの移動手段にしたい考えで、台数を増やす計画もある。

 新しい技術を使って課題解決を目指す内閣府の事業に応募し、採択された。町によると、自動運転の車両が公道を走る実験は、県内で初めてという。

 長さ3メートル、幅1・3メートル、高さ1・8メートルほどの車両1台が、病院や役場、スーパーマーケットなど9カ所を巡るルート(3・2キロ)を時計回りに走る。道路上に埋設した電磁誘導線から、車両のセンサーが磁力を検知することで動く。

 時速は3・6~12キロの6段階で、約45分で一周する。利用は無料。基本的には自由に乗り降りできる。乗客は4人まで。乗務員1人が常に乗っている。

 実験開始に合わせた式典が29日、町公民館であった。三軒一高町長は「今回の取り組みは、高齢者の交通手段の確保という地域課題の解決の一歩になると思う」と期待した。

 実験は9月30日までの2カ月間。安全性を確認したり、利用者にアンケートを取ったりした上で、早ければ今秋にも、もう1台増やして2台態勢で本格運用を始める。

 町人口は2907人で、高齢化率は44・6%(7月1日現在)。町は以前から巡回バスを走らせているが「バス停まで行くのが大変」という声があったという。今回の車両が走るルートは、巡回バスも通れないような細い道もある。

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