和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

スーパーシティ指定ならず すさみ町と和歌山県

和歌山県すさみ町役場
和歌山県すさみ町役場
 先端技術と規制緩和を取り入れる国家戦略特区「スーパーシティ(SC)」について、有識者でつくる政府の専門調査会は、大阪市と茨城県つくば市を指定する原案を了承した。和歌山県すさみ町と和歌山県が同町を対象地域に提案していた構想は選ばれなかった。しかし、両者は「SCに限らず、地域の課題をデジタル技術で解決したいという思いは変わらない」という姿勢を示している。

■政府、2市指定へ

 岩田勉町長は9日の町議会で「残念ながら認定を頂くことができなかったが、経験を生かし、将来に向けて持続可能なまちづくりに取り組んでいきたい」と述べた。

 SCの区域選定を巡っては、全国31組の自治体が内閣府へ応募していた。

 専門調査会は、各種規制を所管する省庁との協議で、制度改革についておおむね合意した項目が複数あるかどうかという点などから大阪、つくば両市を選んだ。残る29組について内閣府は「落選ではない。必要に応じて支援するし、提案の熟度が高まり次第、指定について改めて検討もする」としている。

 すさみ町と和歌山県は、人口減少が進む町の現状に触れて「消滅可能性都市を最先端の町に」とうたい、来訪者が暮らすように過ごせる地域にしたいとの目標を掲げた。例えば、有償で住民が自宅で食事を提供したり、マイカーで旅客輸送をしたりできないかと提案していた。大企業から新興企業まで36社が連携事業者になっていた。

 岩田町長は今回の結果を受け、「SCを目指した経験はアドバンテージになる。これからの時代は、まちづくりに先端技術が必要になってくるだろうし、方向性は変わらない」と話した。

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