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東京のIT企業進出へ 白浜の新オフィスに初入居者

南紀白浜空港隣接地の新オフィスへの進出協定書に署名する「網屋」の石田晃太社長(左)、仁坂吉伸知事(左から3人目)、井澗誠白浜町長(右)=和歌山県庁で
南紀白浜空港隣接地の新オフィスへの進出協定書に署名する「網屋」の石田晃太社長(左)、仁坂吉伸知事(左から3人目)、井澗誠白浜町長(右)=和歌山県庁で
 和歌山県白浜町才野の南紀白浜空港に隣接する県所有の「空港公園」に今秋開所するビジネスオフィスに、IT企業の「網屋」(本社・東京都中央区)が進出することが決まった。同オフィスの初めての入居企業となる。

 オフィスは現在、建設中で9月中に完成、10月上旬に開所する予定。民設民営の形をとり、県と白浜町が補助金を出す。名称は「オフィス クラウド9」でオフィス7室のほか、打ち合わせスペース、会議室などを設ける。木造1階建て、延べ床面積は999・9平方メートル。

 「網屋」は1996年に設立。ファイル漏えいなどの内部不正の防止や、ネットワーク外部からの攻撃防御など、データやネットワークのセキュリティー事業を手掛けている。ネットワーク上のアクセスログを分析する商品は、60%以上の市場シェアがあり、10年以上にわたって業界シェアトップを維持しているという。

 同社は白浜のオフィスに「網屋 和歌山キッティングセンター」(仮称)を設け、IT機器を顧客に納品する前の設定などの業務をする。正社員6人態勢で、本社から3人が転入するほか、紀南から3人を新たに雇用。今後、地元学生の雇用も検討していくという。

 他県からも多くの誘いがあったが、自然の豊かさや和歌山県職員の熱心さなどが決め手になったという。空港から近く、社員の移動や機器の配送などの利便性が高いことも利点としている。オフィス開所と同時に操業を開始する予定。

 進出協定調印式は14日、県庁であり、同社の石田晃太社長と仁坂吉伸知事、井澗誠白浜町長が協定書に署名した。仁坂知事は「白浜はワーケーションの聖地なので、さまざまな可能性があると思う。網屋さんが発展することで、白浜の価値も高まる」と歓迎。石田社長は「県から誘いを受けて訪問したとき『こんなに自然に恵まれた所で働けたら社員はとてもうれしいだろう』と魅了された。白浜で新しい雇用を生み出すとともに、社員のワーケーションにも利用したい」と話した。

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