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【動画】幻想的なサンゴの産卵始まる 和歌山県串本の海

 国際的に重要なことから「ラムサール条約湿地」となっている、和歌山県串本町有田にある串本海中公園センター前の海でサンゴの産卵が始まり、夜の海が幻想的な雰囲気に包まれた。センター水族館の平林勲係長(31)が9~11日の夜、テーブルサンゴの一斉産卵を確認。8月末にかけ、いろいろな種類のサンゴが産卵するという。


 平林係長によると、9~11日の午後10時~11時ごろ、センター前の水深2~3メートルに群集しているテーブルサンゴの一種クシハダミドリイシが、一斉に産卵した。サンゴの精子と卵が入った直径0・5ミリほどの大きさの「バンドル」と呼ばれるカプセルのようなものを無数に放ち、海中が星空のようになったという。

 平林係長は「時期的には例年通りで量はやや小規模かなと感じたが、真っ暗な水中が一面バンドルで覆われる様子は、何度見ても飽きない幻想的な光景」と話す。

 今後はエンタクミドリイシやニホンミドリイシといった種類のサンゴの産卵が予想されることから、引き続き観察を続けるという。

 センター前などの「串本沿岸海域」は、高緯度である本州中部にありながら黒潮の強い影響を受け、世界最北のサンゴ群集も多数分布している。

 同海域は2005年11月、国際的に重要な湿地の保全や適正な利用を目的とした「ラムサール条約」の締約国会議で、同条約湿地に登録された。
一斉に産卵するクシハダミドリイシ(9日、和歌山県串本町有田で)=串本海中公園センター提供
一斉に産卵するクシハダミドリイシ(9日、和歌山県串本町有田で)=串本海中公園センター提供
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