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ナス科植物の害虫トマトキバガ県内初確認

印南町で見つかったトマトキバガの成虫(神戸植物防疫所提供)
印南町で見つかったトマトキバガの成虫(神戸植物防疫所提供)
 和歌山県の農作物病害虫防除所は13日、県内ではこれまで確認のなかったトマトなどに被害を及ぼす害虫トマトキバガが印南町で見つかったと発表した。いまのところ、県内では農作物被害は確認されていないが、他県では、幼虫がトマトの葉の内部や実に入りこんで食べるなどの被害が確認されており、県は警戒を強めている。

 防除所によると5月下旬、印南町のミニトマト施設周辺に設置した仕掛けに、トマトキバガと疑われる成虫がかかった。農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、トマトキバガと確認された。

 南米原産だがヨーロッパやアフリカ、中央アメリカ、東南アジアなどに分布。台湾、中国、中央アジア諸国でも発生している。日本では昨年10月に熊本県で初めて確認され、その後、宮崎、鹿児島、大分、福岡、長崎、愛媛の各県で確認されている。

 成虫は、羽を閉じた静止時で体長5~7ミリ。前羽は灰褐色で黒色斑があり、後羽は淡い黒褐色。幼虫は約8ミリに達し、体色は淡緑色や淡赤白色。

 トマトやピーマン、ナス、タバコ、バレイショなどのナス科植物に主に寄生し、国内ではトマトの被害が確認されているという。

 1年に複数回の世代が発生し、繁殖力が高く、南米では年に10~12世代発生することが報告されている。幼虫は土中や葉の表面でさなぎ化し、成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れることが多い。

 対策としては、園地を見回って見つけ次第捕殺し、被害があった葉や実は放置せずにすぐに除去し、適切に処分すること。防除所は、疑わしい虫や被害があった場合は、各振興局に知らせてほしいという。

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