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熊野の魅力伝えたい 自然文化の「通訳」養成

インタープリターの養成研修で、野外での模擬授業に臨む受講生(和歌山県田辺市稲成町で)
インタープリターの養成研修で、野外での模擬授業に臨む受講生(和歌山県田辺市稲成町で)
 旅行業を営む和歌山県の田辺市熊野ツーリズムビューロー(TB)は、熊野の自然や文化の魅力を分かりやすく「通訳」するガイド「インタープリター」を養成している。田辺市が2022年度から市内の小学生を対象にスタートする「森林環境教育」で、現地講師を務める。

 インタープリターは元々、米国の国立公園の解説員を指す言葉。自然や文化を知識だけでなく、体験を通じ伝えるのが役割で、公園施設や自然学校などのプロの案内役として広まった。参加者を楽しませる案内技術が求められる。

 TBは昨年10月から養成研修を始めた。1期生はアウトドアや林業の関係者ら5人。登山・アプリメディアを運営する「YAMAP(ヤマップ)」(福岡市)から講師を招き、役割や分かりやすい案内技術について学んでいる。

 21、22日には田辺市稲成町のひき岩群周辺で実践研修があり、1人約2時間半の模擬授業をした。

 田辺市でアウトドアショップを経営する新田浩司さんは、授業の冒頭に自作の「フィールドビンゴ」を使用。升目に書かれた「ふわふわ」「ざらざら」などを野外で探すゲームで、受講生は2チームに分かれて、木の枝や芝生、降ってきた雪などを観察したり、手で触れたりしてビンゴを成立させる早さを競った。テントやハンモックも設営した。

 新田さんは「子どもに分かりやすく伝える技術を学びたいと参加した。自然とつながることで、感動を味わってもらいたい」と話している。

 市の「森林環境教育」は、森林環境譲与税を活用した事業。人々の生活や環境と森林の関係に理解を深め、持続可能な社会づくりの担い手を育てる。22年度は小学5年生を対象に4校で予定。5カ年で全25小学校に導入する。将来的には市外からも受け入れたいという。

 TBでは「熊野八咫烏(やたがらす)インタープリター」(仮称)として、3年以内に10人程度の養成を目指している。

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