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古道の宿でジビエ料理 中辺路町高原、獣害解決の一助に

宿泊施設「SEN.RETREAT TAKAHARA」で提供する猪鍋(日本ユニスト提供)
宿泊施設「SEN.RETREAT TAKAHARA」で提供する猪鍋(日本ユニスト提供)
 和歌山県田辺市中辺路町高原の熊野古道沿いにある宿泊施設「SEN.RETREAT TAKAHARA(センリトリート タカハラ)」は今月から、地元で捕れた猪肉を使った猪鍋の提供を始めた。地元農家らを困らせている獣害を解決する助けになればと導入したプランで、運営会社は「ジビエの良さやおいしさを知ってもらうきっかけにもなれたら」と話している。


 施設は、空き家となっていた古民家を改装して昨年10月に開業した。運営しているのは不動産開発などを手掛ける「日本ユニスト」(今村亙忠社長、大阪市西区)。ゆくゆくは中辺路町と田辺市本宮町、新宮市熊野川町の古道近くに計四つの宿泊施設を整備する予定という。

 料理に使う猪肉は、鳥獣害対策などに取り組む田辺市上芳養の農業会社「日向屋(ひなたや)」から仕入れている。猪鍋はロースやバラ肉を使った「猪肉しゃぶしゃぶ」を提供。具材や調味料も和歌山県産の食材にこだわり、田辺市龍神村産のシイタケや同市伏菟野産のキクラゲなどを使用している。

 また、地元の鳥獣害対策の取り組みやその背景を知ってもらおうと、「日向屋」の取り組みや地域住民の働き掛けで誘致した野生鳥獣肉(ジビエ)の処理施設「ひなたの杜」などについて紹介する冊子も施設に置いている。

 施設は最大10人が宿泊できる1棟貸しとして運営。猪肉を提供するプランの料金は、1泊2食付きで大人4人の場合、1人1万8700円。宿泊代とドリンク代、菓子代なども含んでいる。ドリンクや菓子も和歌山産にこだわり、ビールや梅酒、ジュースなどを用意している。

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