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農家と連携してミカンジュース作り みなべ町の福祉作業所

搾汁機を使って温州ミカンを搾る職員(和歌山県みなべ町芝で)
搾汁機を使って温州ミカンを搾る職員(和歌山県みなべ町芝で)
瓶詰めされた温州ミカンのストレートジュース
瓶詰めされた温州ミカンのストレートジュース
 和歌山県みなべ町の「なかよし福祉会」が運営する「なかよし作業所」が今冬から、ミカンジュースの製造を始めた。JAや農家からの委託で製造だけしており、農業と福祉の連携による取り組み。作業所で働く利用者の賃金アップが目的だが、特産品のアピールも期待される。


 なかよし作業所は同町芝にある加工場「みんなの食品ひだまり」で、地元の農家から仕入れたミニトマトなどを使ってジュースなどの加工品を作っている。とりわけ、作業所のオリジナル商品として販売するミニトマトジュースは「甘くて濃厚な味でおいしい」と人気だ。

 他にジャムや菓子なども作っているが、農家から「地域で梅に次いで栽培が盛んなミカンをジュースにできないか」という問い合わせがあったことなどから、本年度にヤマト福祉財団からの助成を得て搾汁機を導入した。

 手始めに昨年12月中旬から、田辺市上秋津の農家から委託を受けて温州ミカンのジュースを作っている。携わるのは利用者7人と職員2人で、果実の洗浄から始め、搾って裏ごしをして、集めた果汁をストレートジュースとして瓶詰めしている。

 農家は「木熟みかんで知られる糖も酸も高いおいしいミカンなので、高品質なジュースにしたかった」と作業所に製造を依頼した。商品は果実と同じように通販で販売するという。

 JA紀南も温州ミカンを使ったジュースの製造を依頼し、今月初めから持ち込んでいる。これまで製造していた加工場を閉鎖したためで、完成したジュースはこれまで通り直営の農作物直売所「紀菜柑」(田辺市秋津町)などで販売する。晩柑の加工も依頼したいという。

 製造を引き受ける作業所の溝西安生所長(64)は「利用者の賃金を増やすためにも、製造量や請負の件数を増やさなければいけないと思っている。今は始めたばかりで手探りの状態。ミカンの収穫はメインであるミニトマトと重なることもあり、今後の状況を見ながら徐々に増やしたい」と話す。利用者に充実感を味わってもらうとともに、地域の特産である農産物の加工を手伝うことで地域貢献につながればと期待する。

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