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和歌山の果実で酔わせたい 古道にちなみリキュール3種

「濱田」が開発した県産果実を使用した3種類のリキュール(和歌山県田辺市上芳養で)
「濱田」が開発した県産果実を使用した3種類のリキュール(和歌山県田辺市上芳養で)
 和歌山県田辺市上芳養の梅干し・梅酒製造販売「濱田」が、県産果実を使ったクラフトリキュール3種を開発した。果実に新たな価値を生み、地域活性化につなげるのが狙い。地元の飲食店を中心に販売しており、新型コロナ感染収束後は熊野古道を訪れる観光客も購買層に見込む。「地域に愛され、世界を酔わせるお酒に育てたい」と意気込んでいる。


 濱田では自社農園で梅の生産もしているが、規格外品の活用が課題だった。フルーツ王国といわれる和歌山で、同じような課題を持つ果樹農家は多いと考え、リキュールとしての活用を検討。構想から1年半かけて開発した。

 製造したのは「梅とエルダーの芳醇(ほうじゅん)スパークリング」「夏みかんのスプモーニ」「紀州レモンのビターレスカ」。アルコール度数はいずれも6%。熊野古道のある和歌山の果樹園から生まれたリキュールとして「オーチャード(果樹園)・コドー」と名付けた。

 「梅」は伝統的な梅酒に、香り高いエルダーフラワーをブレンド。「夏みかん」は、夏ミカンの苦みと甘さにハーブやスパイスなど多彩な素材を絡めた。ミカンの皮を干した「陳皮(ちんぴ)」も用い、爽やかな風味も加えている。「レモン」は完熟レモンと赤ワインをブレンド。農閑期にレモンを栽培する梅農家は多く、紀州レモンの知名度アップを図る。

 リキュールはこれまで海外産が多かったが、地域発で小規模生産のクラフトリキュールが増えている。「梅干しと同じく主役ではないが、カクテルでも楽しめ、好みに合わせさまざまな飲み方ができるのが強み」という。

 専務の濱田朝康さん(43)は「普段お酒を飲まない若者や女性でも飲みやすい。いろんな楽しみ方を皆さんと一緒に考えていけたらうれしい。コロナ後は観光客にも和歌山の果実の魅力を味わってもらい、海外展開も視野に入れている。他の果実の活用も研究したい」と話している。

 1本275ミリリットルで600円(税込み)。濱田や地元の酒店で販売しているほか、飲食店での提供も広げている。問い合わせは濱田(0739・37・0044)へ。

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