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【詳報】3日連続過去最多 和歌山県の新規感染者、病床8割埋まる

新型コロナウイルス入院者と病床使用率
新型コロナウイルス入院者と病床使用率
 和歌山県は14日、県内で新たに149人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。3日連続で過去最多。入院者は前日の約1・4倍の481人に増え、病床使用率は81・4%となった。県は無症状、軽症を含め「全員入院」を堅持してきたが、宿泊療養や自宅療養をせざるを得ない場合に備え、準備を進めている。


 1日当たりの感染者発表人数は、12日の93人、13日の117人に続き、3日連続で過去最多を更新した。入院者も急増し、病床使用率は10日時点で2割未満だったが、4日間で8割を超えた。

■退院基準を緩和

 病床逼迫(ひっぱく)を防ぐため、県は14日、退院までの最短日数を短縮した。これまでワクチン接種者や、オミクロン株以外の患者は10日としていたが、これを有症状は7日、無症状は5日とした。オミクロン株でワクチン未接種の人も退院基準を緩和した。いずれも退院後は、国の退院基準を満たすまで宿泊療養とする。県は宿泊療養用に151室を確保しているが、これを増やすよう準備している。

 それでも病床が逼迫する場合は、最初からの宿泊療養を可能にした上で、さらに自宅療養も検討する。対象は無症状や軽症で、県は安心して療養できる環境を確保するため、17日に県医師会と協定を結ぶ予定。

 仁坂吉伸知事は「患者ファーストで考えたら入院が一番いいが、できなくなるときに次の対応も考えないといけない。備えは何重にもしておく」と話した。

■過去最大のクラスター 新成人の同窓会

 県が14日に発表した感染者の保健所管内別の内訳は、和歌山市61人、橋本22人、田辺21人、岩出17人、湯浅16人、新宮6人、御坊1人、県外在住者5人。和歌山市、橋本、湯浅は過去最多。うち1人は重症で、現在の重症患者は2人となった。

 田辺のうち15人はこれまで発表された感染者の同居家族など接触者。残り6人は関連がない新規。

 県は、香川県で8、9日に開かれたアイスホッケーの社会人大会に出場した男子県選抜チームを県内99件目のクラスターに認定した。メンバー14人のうち、これまでに選手4人と監督、コーチの計6人(うち1人は県外計上)の感染が分かった。

 また、すでにクラスターに認定されている岩出管内の成人式後にあった同窓会について、岩出管内と橋本管内の成人式後の同窓会によるクラスターと変更した。岩出管内の成人式後の同窓会の感染者は1人増えて21人。さらに、橋本管内の成人式後の同窓会も同じ飲食店(岩出管内)であり、これまでの発表と合わせて16人の感染が分かった。飲食店従業員1人を合わせ、計38人のクラスターとなった。過去最大という。

 湯浅管内の相撲場で開かれた、地域の相撲クラブの合同練習のクラスターでも感染者が10人増え、15人となった。うち9人は箕島高校相撲部の部員8人と教員1人。また、和歌山北高校女子バレーボール部は、すでに感染が判明している練習試合相手校(御坊管内)の部員3人もクラスターに含め、10人とした。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は50・6人。保健所管内別は和歌山市59・9人、岩出59・4人、田辺51・8人などとなった。オミクロン株の陽性者は、疑いが24人増え、143人(うち疑い140人、確定3人)。うち99人がワクチン接種済みという。

 また再感染者は1人増え、県内8人となった。「第6波」では6人目。県はワクチン接種したり、過去に感染したりした人も、感染する可能性があるとし、油断しないよう呼び掛けている。

■大人数の会食自粛を 「警戒レベル上げる」

 仁坂吉伸知事は14日、臨時の記者会見を開き、大人数や集団での会食は控えるよう呼び掛けた。クラスターの事例などを踏まえた対応で「警戒レベルを上げないといけない。ぜひ守ってもらいたい」と述べた。

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