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県職員が遺跡を見学 串本笠嶋と高塚の森

太陽祭祀場とみられる巨大遺跡の前で木村正治さん(右から2人目)から説明を受ける県職員=5日、串本町潮岬で
太陽祭祀場とみられる巨大遺跡の前で木村正治さん(右から2人目)から説明を受ける県職員=5日、串本町潮岬で
 串本町にある笠嶋と潮岬(高塚の森)の遺跡に関する本を出版した木村正治さん(78)=串本町串本=の案内で5日、県自然環境室と南紀熊野ジオパークセンターの職員が両遺跡を見学した。木村さんは遺跡を多くの人に知ってもらうため、南紀熊野ジオパークなどの観光と結び付けられないか、県職員に相談した。

 木村さんは30年ほど前から両遺跡について調べており、6月に本を出版。その本を知事宛てに送り、遺跡を見に来てほしいと書いた手紙を同封したことがきっかけで、県職員が訪れた。

 一行は、同町串本の無量寺応挙芦雪館に展示されている笠嶋遺跡の出土品を見学。笠嶋は潮岬が離島だった古代に入り江だった場所で、弥生時代後期の全長8メートル級の構造船などが出土している。木村さんは中国から渡来したという徐福の一団が、構造船の技術を伝えたのではないかと話した。その後、串本古座高校敷地内の現地を訪れ、笠嶋遺跡を示す碑を確認した。

 高塚の森では、夏至の太陽を迎える太陽祭祀(さいし)場とみられる石の巨大遺跡を見た。木村さんが祭祀がどのように行われていたかを話し、徐福の子孫も関わっていたのではないかと説明した。

 県自然環境室の橋爪正樹副室長(52)は「思いはすごく伝わる。文化財の専門家に見てもらって文化的な価値が分かってきたら、どのようにジオパークに関わってもらえるかを考えることができる」と述べた。

 木村さんは「多くの人に遺跡を見てもらいたいし、広く知ってもらいたい。説明できる人材を養成することも考えている。今回の見学が何かのきっかけになれば」と話している。

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