受注減や障害者の工賃減少 福祉作業所運営にもコロナ影響
コロナ禍で障害者の作業所や事業所でも、仕事の受注が減るなど影響を受けている。感染者は減少してきたが現状はどうか。和歌山県田辺市内で比較的規模が大きく、古くから取り組んでいるふたば第二作業所(田辺市文里1丁目)とやおき工房(田辺市下三栖)の2施設に話を聞いた。
ふたば第二作業所は障害者46人が利用しており、廃品回収やミシン縫製、製品の袋詰めなどをしているほか、パン工房でパンを作り、販売している。
パンは、地域の企業や学校、病院、老人施設などに訪問販売してきた。自前の店はない代わりに、さまざまな事業所を訪問して販売できることをメリットとして、続けてきた。しかし、新型コロナ感染症の拡大で、病院や老人施設など一部で中止となっている。
イベントでの販売も重要な収入源だったが、イベントがなくなった。そのため、3月から、パンの製造所前に週1回テントを出して販売するようにした。さらに、JA紀南のスーパー、Aコープから店舗で販売してはどうかと提案があり、7月から週5日販売するようになった。一方、内職作業は昨年春ごろに一部なくなったが、その後、新たな仕事が入った。
松下直樹施設長(41)は「施設で新型コロナが発生すると閉めないといけなくなるので、対策はしているが、常に不安を抱えている。私たちの必要性を考え、販売を継続したり、仕事を頂けることはありがたい。期待に応えられるようにしていきたい」と語る。
やおき工房は障害者35人が利用しており、施設内では菓子箱折りやバスマットの圧着・梱包(こんぽう)、製菓などをしている。施設外ではスポーツセンターの清掃、ペットボトル分別、新聞折り込みなどの作業に従事している。
ところが、コロナ禍によって利用者の工賃は大きく落ち込んだ。工房によると、観光業で土産物が売れないことなどが影響しているという。2020年度の収入は19年度と比べて、菓子箱折りで約6割減った。ほかではシール貼りやバザー活動の収入がなくなるなどし、利用者の月額工賃も下がった。
20年度は一時期、作業に空きができ、自施設の草むしりをしたりもした。利用者の健康や地域貢献を目的に、週1回、ボランティアで地域のごみ拾い活動を始めた。
施設では何とか利用者の作業や工賃を確保しようと努めている。21年度も箱折りの作業の受注は大きく回復していない状況で、新たに別の会社の製品の袋詰め作業をしたり、自主製品の菓子の販売先を広げようと取り組んだり、新しい種類の菓子を開発して販売したりしているという。
今年10、11月には、県の農福連携推進事業で、農家から受託し、梅の剪定(せんてい)枝を拾い集める作業もした。
村上和也所長(49)は「利用者の工賃を何とか回復させたい。いろいろな店で販売しているので自主製品の菓子を買っていただけるとうれしいし、草刈りや清掃など協力できることがあると思うので、障害者ができそうな作業があれば声を掛けていただけるとありがたい」と話している。
ふたば第二作業所は障害者46人が利用しており、廃品回収やミシン縫製、製品の袋詰めなどをしているほか、パン工房でパンを作り、販売している。
パンは、地域の企業や学校、病院、老人施設などに訪問販売してきた。自前の店はない代わりに、さまざまな事業所を訪問して販売できることをメリットとして、続けてきた。しかし、新型コロナ感染症の拡大で、病院や老人施設など一部で中止となっている。
イベントでの販売も重要な収入源だったが、イベントがなくなった。そのため、3月から、パンの製造所前に週1回テントを出して販売するようにした。さらに、JA紀南のスーパー、Aコープから店舗で販売してはどうかと提案があり、7月から週5日販売するようになった。一方、内職作業は昨年春ごろに一部なくなったが、その後、新たな仕事が入った。
松下直樹施設長(41)は「施設で新型コロナが発生すると閉めないといけなくなるので、対策はしているが、常に不安を抱えている。私たちの必要性を考え、販売を継続したり、仕事を頂けることはありがたい。期待に応えられるようにしていきたい」と語る。
やおき工房は障害者35人が利用しており、施設内では菓子箱折りやバスマットの圧着・梱包(こんぽう)、製菓などをしている。施設外ではスポーツセンターの清掃、ペットボトル分別、新聞折り込みなどの作業に従事している。
ところが、コロナ禍によって利用者の工賃は大きく落ち込んだ。工房によると、観光業で土産物が売れないことなどが影響しているという。2020年度の収入は19年度と比べて、菓子箱折りで約6割減った。ほかではシール貼りやバザー活動の収入がなくなるなどし、利用者の月額工賃も下がった。
20年度は一時期、作業に空きができ、自施設の草むしりをしたりもした。利用者の健康や地域貢献を目的に、週1回、ボランティアで地域のごみ拾い活動を始めた。
施設では何とか利用者の作業や工賃を確保しようと努めている。21年度も箱折りの作業の受注は大きく回復していない状況で、新たに別の会社の製品の袋詰め作業をしたり、自主製品の菓子の販売先を広げようと取り組んだり、新しい種類の菓子を開発して販売したりしているという。
今年10、11月には、県の農福連携推進事業で、農家から受託し、梅の剪定(せんてい)枝を拾い集める作業もした。
村上和也所長(49)は「利用者の工賃を何とか回復させたい。いろいろな店で販売しているので自主製品の菓子を買っていただけるとうれしいし、草刈りや清掃など協力できることがあると思うので、障害者ができそうな作業があれば声を掛けていただけるとありがたい」と話している。