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コロナ病床620床確保 「第6波」に備え和歌山県

新型コロナウイルス「第6波」に備えた対応などについて説明する県福祉保健部の野尻孝子技監=17日、和歌山県庁で
新型コロナウイルス「第6波」に備えた対応などについて説明する県福祉保健部の野尻孝子技監=17日、和歌山県庁で
 和歌山県は新型コロナウイルスの「第6波」到来に備え、コロナ対応の県内病床数を現時点で620床まで拡大できるよう準備を整えた。「第5波」中の9月の605床が最多だったが、これを上回る。さらに宿泊施設を追加して確保し、病床逼迫(ひっぱく)時の入院待機所としても利用する。


 県福祉保健部の野尻孝子技監が17日の記者会見で、病床拡大のめどがついたことを明らかにした。12月から増床していく見込みという。

 県は一貫して、感染者の全員入院を維持しているが、「第5波」では入院者数がこれまでにない勢いで急増し、一時は患者数が病床数を上回る恐れもあった。病床は400床から605床(臨時病床含まず)まで随時増やして対応した。落ち着いている現在は581床に抑えている。

 また、県は9月、宿泊療養用に和歌山市内のホテルを借り上げ、県内で初めて運用を開始。退院可能だが帰宅が難しい事情がある人らが利用した。「第6波」に備え、この室数を現在の151室から最大200室に拡大し、入院待機所としても使用するという。

 インフルエンザと同時に検査可能な機器を導入する病院への補助や、クラスター発生時の保健所検査体制の支援強化の方針を立てているほか、これまで国立感染症研究所に依頼していた遺伝子解析ができる機器を10月に導入したことも明らかにした。

■時間経過で抗体値減少

 野尻技監はさらにワクチンの効果などについての調査結果も示した。

 県内公立病院の協力で、ワクチン接種で得られる「S抗体値」の時間経過を、医療従事者454人を対象にみた。2回接種1カ月後に、効果が十分あると推測される「250ユニット/ミリリットル」以上あったのは98・5%の447人だったが、6カ月後には90・3%の410人に減少したといい、3回目接種の必要性を示した。

 県では、3回目接種の対象は、2回接種から原則8カ月経過した人とするが、場合によっては6カ月以上たっていれば接種できるとしている。

 県内の2回接種率は75・8%(11月13日現在)。年代別では、70~90代は90%を超えているが、12~19歳58・9%、20代65・8%、30代67・7%などと若い年代ほど低い傾向にある。

■高齢感染者の6割が2回接種後

 第5波で10月末までに陽性になった2625人のうち、ワクチンを2回接種していた人は12%の316人だった。一方、65歳以上の高齢者は227人のうち63%の142人だった。

 2回接種後に感染した人の重症割合をみたところ、年代を問わず、未接種や1回接種者より低かったが、80代以上では比較的、重症化するケースが目立った。

 野尻技監は「高齢者の中にはワクチンだけでは重症化を防ぎきれない人もいる」とし、接種後も引き続き感染予防対策を取るよう呼び掛けた。

■17日、感染者なし

 県は17日、県内で新たな新型コロナウイルス感染者は確認されなかったと発表した。
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